“所在不明”だった巨人OBの姿が、サラリーマンで賑わう東京・新橋の居酒屋で見られるようになったのは昨年の10月頃。常連客が興奮気味に言う。
「ビックリしました! お店のTシャツを着たデカい中年男性が“生ビールです”って運んで来た。顔を見たら、あの橋本だったんです」
橋本とは、1987年のドラフト1位でPL学園から巨人に入団し、中継ぎ投手として活躍した橋本清氏(47)である。
2001年の現役引退後、野球解説者やタレントとして活躍していた橋本氏だが、昨年7月以降、表舞台で見られなくなった。スポーツ紙の巨人担当記者が語る。
「巨人選手の野球賭博事件や清原(和博)の覚醒剤所持による逮捕などが相次ぐなか、橋本が現役選手と暴力団関係者の“橋渡し役”だったと一部メディアで報じられたためです。選手の“黒い交際”がクローズアップされていたため、橋本に対して球界は過敏に反応した」
当時、橋本氏は本誌の取材に対し「(疑惑の暴力団関係者とは)2~3回会っただけで芸能関係者だと思っていた。選手を紹介したこともない」と否定していたが、その後、橋本氏はレギュラー出演していた番組から姿を消してしまった。そんな橋本氏の新たな“職場”が、新橋の居酒屋『肉蔵でーぶ』である。
ここは、西武や巨人で強打の捕手として活躍した後、楽天で監督も務めたデーブ大久保氏(50)が、昨年3月にオープンした居酒屋だ。博多の屋台を模した店内で、焼き肉、おでん、ラーメンなど多彩なメニューを楽しめる。デーブ氏に聞いた。
「え、橋本? 今日はいないけど、週に1回ぐらいは働いていますよ。あいつは巨人時代の後輩で、バッテリーも組んでいた。去年あんなことになって仕事がゼロになったっていうから“うちで働いてみないか”って誘ったんです。野球の仕事がダメになった今、あいつはバーのような飲食店をやりたいそうです。その勉強も兼ねてるんでしょう。
プロ野球とか芸能界っておとぎ話みたいなもんで、ケタ違いのお金をもらえるから、普通の感覚がマヒしてる。ここではお客さんに頭を下げながら、1杯500円の焼酎を売る。アイツなりに苦しみながら、一生懸命働いてくれてますよ」
残念ながら本誌記者は橋本氏に会えなかったが、往年の名バッテリーに会える居酒屋として繁盛しそう。
※週刊ポスト2017年2月27日号