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トヨタに放った「トランプ砲」が日本の財閥に通用しない理由

財閥に「口撃」は効かない?(トランプ氏のFacebookより)

 なぜアメリカのドナルド・トランプ大統領はツイッターを使った「指先介入」「トランプ砲」で〈米国に工場を建設しないと、多額の関税を払わせる〉とトヨタを狙い撃ちしたのか。経済ジャーナリストの松崎隆司氏がこんな見立てを披露する。

「トヨタは2016年3月期連結決算で3年連続の最高益を達成したが、北米以外の地域の連結販売台数はすべて前年比マイナスでした。ケンカ上手のトランプ大統領は、『トヨタは対米依存が強く、絶対に正面切って逆らえない』と見越して“口撃”してきたのでしょう。トヨタはまんまとスケープゴートにされてしまったのではないか」

 豊田章男社長は慌てて「今後5年間で米国に1兆円以上投資する」と発表せざるを得なかった。“自動車一本足打法”の「脆弱性」が露呈した格好だ。

 味をしめたトランプ大統領のツイッター介入が続くと厄介だが、この「指先介入」が意味をなさない日本企業群がある。経済ジャーナリストの福田俊之氏は「トランプの恫喝は財閥には通用しない」と指摘する。

「たとえトランプ大統領が三菱や三井を槍玉にあげたとしても、数多くの事業分野に参入する財閥を一括りにして叩くことは不可能です。攻撃の矛先がグループの1社に向かってもセーフティネットがあるので致命傷になりません」

※週刊ポスト2017年2月24日号

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