動物病院を訪れるペットたち。動物たちも、飼い主さんも不安な気持ちでいっぱいだが、そんなときそっと寄り添ってくれるのが、看護猫のミーだ。
「ボクは交通事故に遭って瀕死の重傷を負ったところを、ここの土屋院長に助けられたんだよ。だから、ボクの元気な姿を見てもらうことは、院長の腕の証でもあるんだよね」
かつてミーは、群馬県の駐車場で暮らす半ノラ猫だった。あるとき車にはねられ、下半身に大きなダメージを受ける。
「当時、ボクの面倒をみてくれていた人は何か所も動物病院をまわってくれたんだけど、なかなか難しい状態で…。ワラにもすがる思いで、ここに連れてきてくれたんだ」
幸い元気に走りまわれるようになったミーだが、
「けがの後遺症で排泄がうまくできないから、介助してもらわなきゃいけないときがあるし、また事故に遭うかもしれない駐車場暮らしに戻すのは心配だし、ということで、この病院の猫になったんだよ」
どんな動物とでも仲よくできるミーはいつしか待合室や診察室でみんなを和ませるようになり『看護猫』として病院ホームページのスタッフ紹介ページに名を連ねるように。
「ホントは治療とかもできればいいんだけど、どんなに忙しいときでも猫の手じゃオペはできないからね」
【プロフィール】
名前:ミー ♂
年齢:3歳
種類:猫
勤務先:北軽井沢動物病院
職種:看護猫
主な仕事内容:来院する動物たちと飼い主さまのメンタルケア。
お給料:住むところと、食べるもの(処方食なので普通よりも値が張るフードだけど、そのぶんの働きがある!)。
好きなこと:ひなたぼっこ。
嫌いなこと:お尻を触られること…。
現在の悩み:お外に出たいけどお外には危険がいっぱいで、悩ましい。
将来の夢:病気やけがの動物たちが、みんな元気になったらいいな。
撮影/山口規子
※女性セブン2017年2月23日号