2歳の子供が箸を使えないことを厳しく叱り、赤く痕が残るほど、強くその手を引っぱたく。我が子を連れて行った公園に大きな石があると「絶対転ぶだろうな、ラッキー」と放置、予想通り転んだら「よかったね、次からは気をつけようね」と反省と自立を促す―─そんな“スパルタ”教育で成功してきたことを明かしたのが、歌手・森昌子(58)だ。
2月7日に発売した著書『母親力 息子を「メシが食える男」に育てる』の中で、元夫・森進一(69)との間にもうけた3人の息子に対する過激な子育て論の数々を披露している。
2月8日に出演した情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系列)でも、「たとえば(息子が)肩を突いてきたりすると、私も倍返しでした。親が負けちゃいけないんです」「将来大黒柱として家庭を守っていかなければならない。(そのための)しつけです」と言い切った。
森の意外な「鬼母教育」で育てられた3人の息子も、今は社会人だ。長男は人気バンド「ONE OK ROCK」のボーカル・Taka(28)で、10~20代を中心に絶大な支持を集めている。次男は大手企業勤務、三男もミュージシャンとして、それぞれ活躍している。
彼らの成功もスパルタ教育ゆえかと思いきや、関係者の間では“成功の秘訣はむしろ別のところにあるのでは”と見る向きもある。芸能レポーターの佐々木博之氏が明かす。
「長男のTakaは、母親がデビューしたのと同じ年齢である13歳で“歌手になりたい”と言い出します。芸能界の厳しさを知る森さんは、当初は反対していましたが、本人の固い意志を知り、応援することにしたのです。その後入ったジャニーズ事務所を自主退社してしまったときも、森さんはスパルタどころか、叱らずただ見守ったといいます。結果としてそれが奏功し、長男は歌うことをやめず、今の成功に繋がったのです」
Takaは、過去にインタビューで〈親父が怖かった。母ちゃんはやさしかった〉〈基本的に母ちゃんは、いつも味方でいてくれたかな〉と明かしている(『ロッキング・オン・ジャパン』2012年6月号)。
森がどこまで「鬼母」だったかはさておき、息子たちの活躍によってこれからは子育てする親の“せんせい”となりそうだ。
※週刊ポスト2017年2月27日号