宗教団体「ワールドメイト」代表である深見東州氏(65)が経営する予備校「みすず学苑」といえば、歴史上の偉人に扮したモデルによる独特のユーモラスな広告でも知られている。そして深見氏は、みずからが歌唱を披露する日本武道館で単独公演を行ったこともあるエンターテイナーでもある。ジャーナリストの池田道大氏が深見氏に、その独特のユーモア感覚の源について聞いた。
──独特のユーモア感覚はどこで身につけた?
深見:同志社大学ESS(イングリッシュ・スピーキング・ソサエティー)の代表時代、イベントの出し物でギャグを磨きました。ウルトラマンが質問に答える“ウルトラマン問答”や股の間から顔を出す“アワビ芸”が大ウケして、今も伝説の人物として語り継がれていると聞きます。1993年にワールドメイトがマルサの国策捜査(*1)を受けた後は、“宗教は閉鎖的で暗くて反社会的”というイメージを覆すため、七福神のコスプレで記者会見しました。
(*1/1993年、ワールドメイト(当時名称コスモメイト)に、東京国税局査察部が査察に入る。当時、同団体は宗教法人格の認可を申請しようとしていた。国税はそれを、企業活動も行っていた深見氏の「税金対策」と推測。だが不正蓄財の事実はなく、捜査は不発に終わる)
『顔がヤギに似ていたからスケープゴートにされました』と言ったら、会場がシーンとしてね(苦笑)。その後、国税とは13年かけて戦い、完全無罪を勝ち取りました。
──安倍首相など大物政治家とも親しいが、政治と宗教の距離感をどう考える?
深見:私が高校2年の時、父親が兵庫県議会議員に落選して大変つらい思いをしたから、落選議員を応援している。神道なので基本は右寄りだけど、野党が頑張らないと権力が暴走するのでそちらもサポートしています。ただし、宗教家がイデオロギーを口にするのは争いの元。私自身は具体的な政策論争に立ち入りません。