ライフ

誰もが避けられない白内障 80歳以上で100%発症

白内障を避けることは不可能か(イメージ)

 高齢化が進むにつれ、目の疾患は増えていく。眼科にかかる総患者数は国内で約366万人とされる。そのうち約240万人を65歳以上の高齢者が占めている(厚労省「平成26年患者調査」)。

 眼科にかかっていなくとも、多くの中高年が直面する症状が、近くのものが見えづらくなる「老眼」、目に疲労感や重圧感が生じる「疲れ目」だろう。

「新聞や本の文字が見えづらくなった。老けて見えるので老眼鏡はかけたくないが、仕方なく使っています」(62歳・男性)

「長時間テレビを見ていると、目がじんじんとして疲れる。携帯電話の液晶がまぶしいのでメールや電話が億劫になった」(70歳・男性)

「朝起きたときに目が非常にかすみ、『もしかして目の病気かも』と心配です。でも5分も経てば見えるようになるので、不安を抱えながらも結局は放置しているのが現状です」(65歳・男性)

 そのような「誰にでもありそうな症状」を軽視するのは危険である。老眼や疲れ目が進行すると、頭痛、めまいや肩凝りなど全身の不調を引き起こす恐れがあるからだ。

 さらに、それら軽微な眼の不調が、深刻な眼疾患の初期症状である可能性も否定できない。視力の低下や視界がかすむ、光のまぶしさが増すなど、見え方に異常が生じている場合は、白内障の兆候の恐れがある。

 白内障を放置すれば、視神経に障害が起こって視野が徐々に欠けていき、失明原因の第1位にランクされる「緑内障」を発症する可能性もある。また、網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、視界のゆがみやぼやけ、視野狭窄(視野が狭くなること)が生じる「加齢黄斑変性症」も50代以上に多い病気で、高齢になるほど罹患率が上がる。

 特に白内障は「誰もが避けて通れない病」といっても過言ではないだろう。60代で60%以上、80歳以上の100%が発症するという研究結果(厚生科学研究費補助金による「科学的根拠に基づく白内障診療ガイドラインの策定に関する研究」、2001年)もあり、65歳以上が眼科にかかる最も多い理由となっている。

※週刊ポスト2017年3月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ファンから心配の声が相次ぐジャスティン・ビーバー(dpa/時事通信フォト)
《ハイ状態では…?》ジャスティン・ビーバー(31)が投稿した家を燃やすアニメ動画で騒然、激変ビジュアルや相次ぐ“奇行”に心配する声続出
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
第三者委員会からハラスメント被害が蔓延していたと指摘されたフジテレビ(右・時事通信フォト)
《フジテレビの“あしき習慣”》古くからあった“女子アナ接待”の実態、仕切りは人気ドラマのプロデューサー スポーツ選手との関係構築のため“利用”するケースも
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
【独自】「弟がやったことだと思えない…」中居正広氏“最愛の実兄”が独白30分 中居氏が語っていた「僕はもう一回、2人の兄と両親の家族5人で住んでみたい」
NEWSポストセブン
新田恵利(左)と渡辺美奈代があの頃の思い出を振り返る
新田恵利×渡辺美奈代「おニャン子クラブ40周年」記念対談 新田「文化祭と体育祭を混ぜたような感覚でひたすら楽しかった」、渡辺「ツアーも修学旅行みたいなノリ」
週刊ポスト
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト