物語も佳境を迎えつつあるNHKの朝ドラ『べっぴんさん』。昨年末から男性の新キャストも続々と登場して、ますます盛り上がっている。1月14日には、連続テレビ小説のイベント史上初めてとなる、男性キャストだけを集めたファン感謝祭イベントが大阪で開かれた。定員1200名に対して、北海道から九州まで全国から約7000名の観覧応募があったという大人気ぶり。そこで、男性キャストの魅力について、番組の制作統括チーフプロデューサーである三鬼一希さんに話を訊いた。
まずは男性キャスト中心のイベントを企画したのはどうしてなのだろうか。
「女性を男性たちがどういうふうに支えていくのか…。いろんな形の支え方があると思うのですが、そこをドラマで描きたいと思っているので、今回は男性をフィーチャーしました。キャストは『何を話せばいいの?』と不安に思っていたみたいです(笑い)。イベントのある週末が近づくにつれて、男性キャストはそわそわしていました」(三鬼さん、以下「」内同)
作品の中での男性キャストたちの役割について、どうとらえているのか。
「女性たちが子育てしながら頑張るのを、いろんな形で支えているのが男性陣。紀夫(永山絢斗)は夫としてすみれを支えますが、潔(高良健吾)も栄輔(松下優也)も紀夫とは違う形でフォローしている。一方で小山さん(夙川アトム)のように、ヒールな役まわりの男性もいます。ヒロインのすみれ(芳根京子)にとって、男性たちは“毒にも薬にもなる存在”かな…と思います」
では、キャスティングにはどんなこだわりがあるのか。
「持論なんですが、“朝ドラ”はいろんな若い役者さんに出演していただく場かなと思っています。特に“朝ドラ”はオーディションでヒロインを決めているので、こういうフレッシュな若い役者さんもいますよ…と、視聴者の皆さんに楽しんでいただきたいんです。ただ、最終的なこだわりは、その役に合うか合わないかですね」
そして、気になるのが今後の展開。物語はどう進んでいくのか。
「高度成長期のピークを迎え、親としてのすみれの成長はもちろん、龍ちゃん(森永悠希)やさくら(井頭愛海)、健太郎(古川雄輝)といった子供たちの成長も描きたい。すみれの20代と子供たちの20代とはまったく違う時代で、“本当に守らないといけないものは何か”という価値観を見つけ、次の世代につなげていくようなことを描きたいです。“時代と対決する”のが見どころ」
撮影/WEST
※女性セブン2017年3月2日号