日本の食卓に欠かせない「ねぎ」。もっともおいしい季節が冬だという。家庭料理研究家の松田美智子さんはこう説明する。
「ねぎは一年中流通していますが、この時期の歯ごたえ、ねっとりとした甘みは格別です。生で刻む、または焼き浸しでギュッとうまみを凝縮するなど調理はシンプルに、そして調味料も最低限に抑えて旬を享受したいものです」
ねぎは大きくは「白ねぎ」と「青ねぎ」に分かれる。白ねぎはおもに白い部分を食べる根深ねぎのことで“長ねぎ”とも呼ばれる。
青ねぎは“葉ねぎ“ともいわれ、元来は京都発祥の九条ねぎを指す。福岡特産の「万能ねぎ」はじめ、ねぎと玉ねぎの雑種である「わけぎ」など、小ねぎといわれるものも青ねぎの一種。一般的に白ねぎは関東、青ねぎは関西で好まれる。
白ねぎ、青ねぎともに緑色の部分にはβカロテン、ビタミンC、カリウムなどの栄養素を、白い部分には含流化合物の硫化アリルを多く含む。硫化アリルはねぎ類に特有の強い香り成分で、胃酸の分泌を促して消化促進、あるいは優れた温熱・消炎作用で風邪やしもやけの外用薬として民間療法に用いられてきた。また、疲労回復や冷え症の改善、ビタミン類とともにがんや動脈硬化の予防に役立つと考えられる。
◆ねぎの準備
【1】白ねぎは巻きがしっかりとしていて白い部分に弾力があるものを選ぶ。緑と白の境目がくっきりと鮮明で白い部分が長いものはていねいに栽培された証拠。美しい白髪ねぎや小口切り、斜め切りにするコツは、まず、ねぎを扱いやすい長さに切ったあと、縦に切り込みを入れて芯を取り除くこと。独特の粘りがある芯は生食には向かない。
【2】次に内側の薄皮をむく。包丁の切れ味が悪いわけでもないのに、白髪ねぎがうまくできない…という場合は、この薄皮のぬめりが原因の場合が多い。また、食感も落ちる。ひと皮むくことで、驚くほど簡単に切れるようになり、シャキシャキした白髪ねぎができる。ぜひ、お試しを。
◆「白ねぎと青ねぎのサラダ」のレシピ
【1】白ねぎ1/2本は【◆ねぎの準備】を参照して薄皮を除く。4cm長さに切り揃え、白髪ねぎにする。水にさらしてキッチンペーパーで水気を抑えておく。
【2】青ねぎ適量は緑の部分を斜め薄切りにする。
【3】小さなボウルなどに塩小さじ1/2、米酢大さじ1、ごま油大さじ2を合わせる。この際、必ず塩→米酢→ごま油の順に少量ずつその都度混ぜ、味を見ながら合わせること。
【4】 【1】と【2】を器にふわりと合わせて【3】を適量かける。
撮影/鍋島徳恭
※女性セブン2017年3月9日号