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NHK対日テレのカギは皇室報道、ネット配信、小池百合子氏

NHKを迎え撃つ日テレに秘策は?

 視聴率競争とは無縁かと思われていたNHKだが、2016年の全日(※朝6時から深夜24時までの間の平均視聴率)平均では視聴率三冠王の日本テレビに0.9ポイント差と肉薄。両者の差はわずかだ。NHKと日テレの“テレビ界最強”を懸けた戦い。ガチンコ勝負の行方やいかに──。

●皇室報道合戦

「報道部門では、NHKと日テレが突出して強い」と他局の報道記者が舌を巻く両局だが、天皇の生前退位報道では、NHKに軍配が上がった。スクープしたのはNHK。日テレは『皇室日記』という番組を持ちながら大きく出遅れた。

「NHKは皇室担当記者が、長年宮内庁周辺と密な関係を築いてきた。他局とは食い込み方が違います」(NHK報道ディレクター)

●小池百合子の奪い合い

“人気者”の小池百合子・東京都知事をめぐっても“争奪戦”が起きている。昨年、東京五輪競技場問題が大きく取り沙汰されていた頃は、『NHKスペシャル』(2016年10月10日放送)や『クローズアップ現代+』(10月18日放送)でNHKが小池氏の単独インタビューを行なっているが、小池塾が開講されて話題となった10月30日には日テレが小池氏単独生出演を真っ先に実現させた。

●ネット配信対決

 いまや視聴者が“選ぶ”のはテレビだけではない。ネット配信を真っ先に取り入れたのも日テレだった。2014年に米動画配信サイトHuluの日本市場向け事業を取得し、ネット配信を開始。一方、NHKは日テレの後を追うように参入。米動画配信サイトNetflixで配信していたピース又吉原作の『火花』を2月26日から全10回の予定で放送。

「対して、日テレはWOWOW、Huluと共同で、ルパン三世の宿敵、銭形警部を主人公にしたオリジナルの実写ドラマ『銭形警部』を制作。地上波と衛星放送とネット配信が連携する日本初の試みです」(コラムニスト・ペリー荻野氏)

 両雄の戦いが白熱するほどテレビ界が盛り上がるのは間違いなさそうだ。

※週刊ポスト2017年3月3日号

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