もはやなくてはならない存在のコンビニエンスストア。「顧客満足度調査」(2016年度 サービス産業生産性協議会調べ)では、コンビニでの満足度1位は『セイコーマート』、2位は『セブン-イレブン』、3位が『ローソン』、4位が『ミニストップ』、5位が『サークルK/ファミリーマート』となっている。
1位の北海道ローカルチェーン『セイコーマート』に首を傾げた人も多いかもしれないが、証券アナリストの本田康博さんは「調査方法が結果に影響している」と話す。
「調査の対象となったのは、そのコンビニを1か月に2回以上使う人。『セイコー』の場合、北海道在住で近くに他の店がない人が多い。『セイコー』との比較対象がないから、満足度が高まりやすい」
つまり、実質1位はセブン-イレブンということ。セブンは2016年の『好きなコンビニランキング』(スーモジャーナル)では約53%の支持を得てぶっちぎりの1位。流通ジャーナリストの渡辺広明さんが指摘する。
「『セブン-イレブン』は商品力、品ぞろえ力、徹底力のすべてにおいてNo.1。バイトの接客も均一だし、新しいサービスを導入したら徹底的にやる。100円コーヒーもそうだし、エンタメとのコラボもローソン『ローチケ』の専売特許だったはずなのに、いつのまにかセブンも強くなっていった」
とはいえ、道民のセイコーマート愛は海をも越える。
「『ホットシェフ』というその場で作ってくれるお弁当も、100円の塩焼きそばもめちゃくちゃうまい。上京してびっくりしたのは『セイコーマート』がなかったこと。彼女と遠恋になったことに輪をかけて、ものすごく寂しい」(40才・北海道出身男性)
一方、スーパーマーケット部門での顧客満足度は、1位が『OK』、2位が『ヤオコー』、3位が『ベイシア』、4位が『万代』、5位が『西友』だった。
『OK』の1位の秘密は「正直オネストカード」と解説するのは前出・渡辺さん。
「1位から5位まで、“安さ”が際立ったスーパーが選ばれた印象にあります。中でも『OK』は店舗に行くと、“オネスト(正直)カード”が目を引く。例えば、『グレープフルーツは今、品質が悪いからおすすめしない』とか『この商品は売れ数が少ないから品をそろえられない』とか、正直に書いてあって、信頼できる。2位の『ヤオコー』は“提案型”。ちょっと変わった調味料を並べていたり、野菜売り場で料理の作り方を教えてくれたり、ワクワクさせてくれるところが期待を上回ったんでしょう」
一方、『西友』が5位に甘んじたのは品ぞろえの悪さや店内の汚さが響いたのではないか、と渡辺さん。
「安売りに集中しすぎて、売り場に台車が置きっ放しだったり雑さが目立ちます。若者には安くていいと評価されますが、多くの顧客には、まだ受け入れ難いのでは(苦笑)」
※女性セブン2017年3月9日号