「吟じますっ」のセリフで始まる、詩吟のリズムにのせて下ネタを絡ませた芸『エロ詩吟』でブレークしたお笑いコンビ天津の木村卓寛(40才)。仕事が激減した今は、芸人を続けながら、副業としてロケバスの運転手をしている。副業のエピソード、そして意外に思いやりに満ちていた(?)エロ詩吟の真意について、木村が語った。
――そもそもなぜロケバスの運転手に?
木村:家族を養うためです。芸人だけで食べられたらいいんですけど、なかなかそうもいかないので。アルバイト的なことをしないといけないとなった時に、ぼくは車の運転が好きなので、それを職業にすればいいんだ、と思ったんです。週1くらいでロケバスを運転しています。
もうひとつが、ムーディ勝山って後輩芸人がいて、一発屋芸人としてはぼくより先輩なんですけど(笑い)。ロケの仕事が減ったムーディは、「ロケバスの運転手になればロケに行ける」ということで、バスの免許を2年ぐらい前に取ったんです。それを聞いて、ええなと思って、後輩の真似をしたという(笑い)。ぼくは今年4月に免許を取りました。
――合宿で免許を取られたそうですね。
木村:秋田県大館市の免許センターに行きました。3月やったので、雪が残っていました。高校卒業したての子が多くて、誰とも友達になれず(苦笑)。ぼくは2種免許を取りに行ったんですけど、そっちはオジサンばっかりで、オジサン5人衆で行動していました。天津木村だと気づいてもらえなくて、誰とも話していなかったんです。4、5日目でやっと1人気づいて、話しかけてもらえましたね(苦笑)。でもその人らと飲みに行くのもちょっとちゃう感じなので、夜はひとりでスナック街に入り浸ってました。
合格発表の最終日、30人ぐらいいる教室で、「なんと全員合格です、おめでとうございます。あと、この教室には天津の木村さんがいます」って教官に“つけたし”で言われて、教室に変な空気が流れたんです。でも、その後「写真撮らせてください」みたいになったので、それから大館が大好きになりました(笑い)。
――ロケバスには、どんな芸能人を乗せますか?
木村:バラエティーのロケが多いので、芸人が多いですね。たとえばカズレーザーは初めてロケバスで会うたんです。その日は奥多摩に行く2時間ぐらいの峠道で、みんな車酔いしてるんです。カズレーザーも青い顔をしていたんですけど、ぼくに気づいてくれて、現地に着いてからあいさつに来てくれたんですよね。
帰りも同じ道なので、向こうは青くなって今にも吐きそうな顔をしながら、でも先輩が運転してくれてるからって、キリッとしていました。めっちゃええ子なのに、最悪の出会いやなと(苦笑)。
――乗せて嬉しかった芸能人は?