日本中で愛されているファストフード。「顧客満足度調査」(2016年度 サービス産業生産性協議会調べ)によるとファストフード部門での満足度1位は『モスバーガー』、2位は『丸亀製麺』、3位は『リンガーハット』、4位は『ケンタッキーフライドチキン』、5位は『CoCo壱番屋』だった。
「ヘルシーさを含めた食の安全とコスパが評価されています」と分析するのは、経済評論家・平野和之さん。
「『モス』はほかのハンバーガーチェーンより少し高めですが、国産の生野菜を使用していて、ヘルシー感がありますよね。『丸亀製麺』は昔に比べて値上がりしたものの、1000円あればかなりのボリュームが食べられる。コスパは最強です。同様に『リンガーハット』も国産野菜や小麦を使ってボリューム感があるし、また、昨年はランク外だった『ケンタッキー』は『三菱商事』の傘下に入ったので、『ローソン』と提携できるようになる。食材ルートの共有化によって、さらにおいしくて安全な食材を追求していくことができる。今後に期待です」(平野さん)
一方で『CoCo壱番屋』が5位に甘んじたのは、昨年起きた廃棄用のカツが産廃業者により転売された事件の印象があったからかもしれない。
一方、レストランチェーンでの顧客満足度ランキング1位は『くら寿司』、2位が『びっくりドンキー』、3位が『スシロー』、4位が『木曽路』、5位が『サイゼリヤ』となっている。
『くら寿司』が1位になった背景にあるのは、「ファミリー層を取り込んだから」──。平野さんが解説する。
「『くら寿司』の価格は『スシロー』や『かっぱ寿司』よりは少し高いものの、養殖ではない地魚を安く仕入れて使うとか、無添加にこだわるといったふうに、健康志向の点が評価につながっていると考えられます。また、寿司以外のサービスを打ち出しているのも特長です。仕入れ食材などを直接販売し、利益だけではない安心感、親近感を与えていますね」
『びっくりドンキー』が上位の理由はズバリ、ハンバーグ。
「やっぱりハンバーグは誰もが好きで家族ウケがいい。それに続く『木曽路』や『サイゼリヤ』も、和食やイタリアンのお店としては、値段が手頃で味もいい。以前は女性ウケのするお店の方が顧客満足度が高い傾向にありましたが、最近は3世代のファミリーで行けるお店が選ばれていると思います」(平野さん)
※女性セブン2017年3月9日号