確定申告の提出期限が残り2週間に迫ってきた。面倒くさいと思う人も多いかもしれないが、しっかり申告すれば、払いすぎた税金は簡単に取り戻せる。確定申告は、おもに自営業者が1年間の所得を計算して、納税額を国に申告するために行うものだ。今年は3月15日まで。実は、サラリーマン家庭も無関係ではない。
会社員は、収入や扶養家族の人数などに応じて、毎月の給与やボーナスから税金が源泉徴収されている。ただし、1年の途中で家族が増えるなどした場合、本来納める所得税額より払いすぎてしまっていることも多い。この差額を払い戻したり徴収したりするのが、勤務先で行われる年末調整だ。
多くのサラリーマンは年末調整で納税手続きは終わるが、年収2000万円を超える人、給与以外の所得が年間20万円を超える人は、自分で確定申告する必要がある。だが、税理士の福田真弓さんは「これ以外のサラリーマンでも、確定申告する必要はあります。年末調整だけで所得税を確定できないケースがあるんです」と言う。
税金計算の基になる「課税所得」は、全体の収入からさまざまな「控除」を差し引いた金額だ。控除が多いほど課税所得は少なくなるので、節税するには控除を正確に利用することが大切だ。税理士の福田真弓さんが説明する。
「控除には勤務先で処理してくれる給与所得控除などもありますが、確定申告でしか受けつけてくれないものもあります」(福田さん、以下「」内同)
例えば、医療費が年間10万円以上かかったときの「医療費控除」、6か所以上にふるさと納税したときの「寄付金控除」、空き巣に入られたときの「雑損控除」などは、自分で申告しなければならない。手続きしないでおくと、払いすぎた税金は戻ってこないので、対象になる人は忘れずに申告しよう。
今回の申告から、マイナンバー制度導入によって添付書類などが変更されている。
「2016年分の確定申告から、申告書にマイナンバーの記載欄が設けられ、カードやそれに代わる証明書類のコピーの添付が必要になりました(インターネットで申告するe-Taxを除く)」
勤務先から渡される源泉徴収票のサイズも大きくなり、本人と扶養家族のマイナンバーの記載欄が追加された。
ちなみに、確定申告で戻ってくるお金(還付金)は、すでに納めた所得税の範囲内だ。控除額が多くても、もともとの納税額が少ないと期待したほどお金が戻らないこともある。また、同じ控除額でも所得税率によって還付金は変わるので、目安を知るために自分の税率(以下参照)を確認しておこう。
◆課税される所得→税率
195万円以下→5%
195万円超~330万円以下→10%
330万円超~695万円以下→20%
695万円超~900万円以下→23%
900万円超~1800万円以下→33%
1800万円超~4000万円以下→40%
4000万円超→45%
※女性セブン2017年3月16日号