今や飛ぶ鳥を落とす勢いを見せるバンド「ONE OK ROCK(ワンオクロック)」。1月にリリースされたアルバム『Ambitions』は国内盤のほか、米国盤も流通。同アルバムでは、アヴリル・ラヴィーンとのコラボレーションが実現したほか、米国のアルバム・トップチャートでも上位に食い込み、世界的な人気を証明したかたちとなった。ワンオク躍進の理由について、音楽ライターはこう分析する
「メンバー全員が20代後半という若さでワンオクがここまで成長できたのは、やはり“世界で評価されるか否か”を考えながらバンドサウンドを模索してきた点が大きいでしょう。
デビュー当初は、『洋楽のパクリ』『洋楽に影響受けすぎ』などとも指摘されることもあった。しかし、近年海外のレーベル『Fueled By Ramen』と契約した影響で世界のトレンドを意識するようになったのか、エモ(エモーショナル)系やエレクトロの要素を増やし、かつダンサブルなナンバーも増えた。『洋楽パクリの邦ロック』ではなく、本当に“世界と戦うバンド”として音を生み出すフェーズに来ているのではないでしょうか」
また、別の音楽関係者は、ワンオクの“進化”について、次のように語る。
「ワンオクはデビュー当初、歌詞に日本語の言葉遊びなどを巧みに用いながら、日本の若者に響く荒削りな骨太ロック曲を作ってきました。最近では、それが洋楽寄りになっている印象で、『これまでのワンオクじゃない』という声もありますが、僕はそれをいい意味での“進化”だと捉えています。
アルバム『Ambitions』では洋楽の要素を取り入れながらも、日本的な音を要所に散りばめています。また、1月にNHKで放映された『ONE OK ROCK 18祭』で披露した1曲『We are』は、現代の日本の若者に響くような歌詞でしっかりと彼らの背中を押す楽曲となっていた。それは過去のワンオク自身に投げかけているとも取れます。ワンオクらしさをなくすことなく、世界に向けて進化したアルバムだと思います」
森進一と森昌子の長男として生まれたTakaだが、今やその“二世歌手”という殻を自身の実力で見事に破りつつあるようだ。