韓国が混迷を深めている。トランプ大統領との首脳会談で蜜月ぶりをアピールした安倍首相とは対照的に、職権を停止されている朴槿恵大統領は身動きが取れず、外交政策に空白が生じている。
北朝鮮が新型弾道ミサイル発射実験を強行しても有効打を繰り出せない。韓国に亡命を希望していたとも言われる金正男氏がマレーシアで北朝鮮工作員に暗殺されても、傍観するしかない。
THAAD(高高度防衛ミサイル)配備に反対する中国政府から、ロッテグループが中国東北部で進めるテーマパーク事業の停止を命じられるなどの「禁韓令」が次々に発せられても、対策を講じることができず、ただ恐れおののくばかりだ。
政治だけではない。経済でも停滞が目立つ。
日本では大卒、高卒ともに就職率が97%を超え、ほぼ完全雇用に近づいている一方、韓国では今年、史上初めて若年失業率(15~29歳)が10%を突破する見込みだ。
韓国はいま、外から内から崩れ去ろうとしている。未曾有の国難にもかかわらず、ポスト朴槿恵の最右翼とされる文在寅氏は、日韓慰安婦合意や軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の見直しを主張し、昨年7月には竹島に上陸するなど、結局、「反日」を燃料にしている。
釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦像には、韓国人によって「日本を許そう」というビラが貼られたが、「上から目線」に違和感を抱いた日本世論以上に、韓国世論はこの人物を猛批判した。そして今も慰安婦像は増殖を続けている。
韓国国民が「反日」という麻薬に逃避すれば、いずれ韓国は消滅する可能性すらある。
※SAPIO2017年4月号