ホコリや花粉などを取り除けるだけでなく、毛玉ができにくくなり、クリーニングの回数も減らせるなど、洋服の手入れに欠かせない洋服ブラシ。一般的な洋服ブラシの毛には、繊維に負担をかけずにホコリなどが取り除けるよう、やわらかくてコシのある豚毛や馬毛が使われることが多い。
「日常生活をしていると、空気中に舞っているホコリや花粉が洋服に付着するのは仕方がないこと。これらは、手で払うだけでは取り除けないため、洋服ブラシでのブラッシングが必要です。ブラシの毛は、天然毛の馬毛が最高級とされており、カシミアなどのデリケートな繊維でも、傷めることなくケアすることが可能です」
そう話すのは、1929年に創業した池本刷子工業(大阪府東大阪市)の古木久紀さんだ。『池本刷子工業 GRAND IKEMOTO 静電気除去洋服ブラシ』(XLサイズ:幅6×長さ29.5×厚み7.4cm、重さ約178g・6480円)は、静電気除去という付加価値をつけたハイテクブラシ。この高級洋服ブラシが人気を呼んでいる。
「洋服自体が静電気を帯びていると、ホコリを引き寄せてしまうことがあります。従来の洋服ブラシでは、ホコリを落とすことはできても、静電気で服についたホコリは落とせません」(古木さん)
注目したのは、アクリル繊維に銅イオンを含浸させた、静電気除去作用のある繊維素材。だが、この素材は細くてコシがないため、それだけで静電気で付着したホコリを落とすことはできない。
「天然毛にこの繊維を混毛することで、従来の機能はそのまま、静電気除去の機能をプラスすることができました。最上級の『グランド イケモト』では、特に選りすぐりの白馬毛を使用。静電気除去繊維は、黒みがかった色をしています。中央部分をよく見ると、混毛されているのが見えますよ」(古木さん)
長年にわたるブラシ作りの技術と、高級な天然毛、最先端科学が融合して誕生した、掃いてくブラシだ。
※女性セブン2017年3月16日号