世界一の栄光をもう一度──。第4回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に臨む日本代表チームには、大きな期待がかかっている。しかし、過去の代表選手たちをみると、活躍した選手ほど、その年のシーズンの成績を落とす、ケガをするなど、キャリアに深刻な影響を及ぼすこともある。そうした「リスク」があるからこそ、代表には結果が求められるし、曖昧な判断や采配ミスには厳しい批判が向けられる。
その意味で、開幕前から資質に疑問符がつけられた小久保裕紀監督には、関係者の間で早くも「結果がどうなってもWBC後に交代」という声があがっている。
「仮に優勝したとしても、監督の首はすげ替えられるのではないか。後任には、ファンの支持が集まりそうな松井秀喜や、東大野球部の特別コーチを務めた桑田真澄といった候補の名前も聞こえてくる。大会を盛り上げるという意味では、DeNA元監督・中畑清もあるだろうし、実績重視で第2回のチームを率いた原辰徳の再登板という声もある」(NPB関係者)
大会前から、そうした議論が出てきてしまう小久保監督について、第2回WBCで打撃コーチを務めた篠塚和典氏は諭すようにこう語る。
「レベルの高い選手が集まっているので、技術的な指導云々じゃない。選手の状態を見極めることが代表の監督やコーチの仕事のほぼすべてです。本来、強化試合もすべて勝ちにいって各選手の調子を見るべきだったのですが、みんなが調整中のような段階だった。こうなったら、開幕後に試合をしながら監督やコーチが調子のいい選手を見極められるかにかかってきます」
WBCで惨敗した上に、参加選手たちが低迷するシーズンを送るような結果にならないよう、すべての野球ファンが願っている。
※週刊ポスト2017年3月17日号