どこかに居を構えれば、当たり前のように付いてくると思われるのが「住所」。京都市内には「上ル」「下ル」「東入ル」「西入ル」など、他の地方在住者にとっては難解な住所が存在するが、東京にも銀座のど真ん中に「住所のない場所」が存在するのをご存知だろうか。
画像はショッピングモール「銀座インズ」のフロアマップ。見ての通り、店によって名乗る住所がバラバラで、「0番地」などの見慣れない表記もある。「ここは、もともと江戸城のお堀だった場所で、今も『中央区銀座』と『千代田区有楽町』の厳密な境界が定まっていない」(『境界協会』の小林政能・会長)のだという。唯一、有楽町の住所を名乗るのは内科クリニック。「他の飲食店などは住所に『銀座』と入れたいのでしょう」(同前)とみられている。
※週刊ポスト2017年3月17日号