東京五輪が3年後に迫る中、2月26日に開かれた東京マラソンは、上位7人は全員、アフリカ勢で日本人トップ8位の井上大仁(山梨学院大卒、MHPS)ですらトップと4分以上の大差だった。昨年11月に日本陸連の「マラソン強化戦略プロジェクト」リーダーに就任した瀬古利彦氏(DeNAランニングクラブ総監督)は危機感を顕わにし、「箱根駅伝に『42.195km』区間をつくる」プランを明かした。これには指導者たちの間でも賛否両論となっているが、箱根ファンは瀬古氏の提案をどう聞くか。
「導入するなら復路より往路が絶対にいい」と断言するのは、駅伝シーズンを通じて最も現場に足を運ぶウェブメディア「EKIDEN NEWS」の「博士」こと西本武司氏だ。
「瀬古さん提案の9区(戸塚~鶴見=23.1km)+10区(鶴見~大手町=23.0km)だと、トップから最後尾までの差が大きく、交通規制を担当する警察当局などの了承を得るのが難しくなるでしょう。また、過酷な設定によって最後尾のゴール時刻が後ろ倒しになれば、その後の全国高校サッカー選手権の放送時間との調整が必要になり、日テレ側もやりづらい。かといって復路のスタート時刻を早めようにも、1月の芦ノ湖は午前8時でさえ路面が凍結しているからまず無理」
その点、往路なら先頭と最後尾の差も小さく、スタート時刻も含めて柔軟な対応が可能だという見方だ。では往路ならばどこか。
「3区の終点の平塚中継所を起点に、湘南国際マラソンの周回コース(西湘バイパス二宮IC~江の島入り口)を『新4区』として挿入したらどうでしょう。海沿いのフラットなコースで高速レースの設定になる」