自ら望んで人前に立っているわけではない。しかし、一挙手一投足が多くの視線に晒され、自らの容姿がつねに人々の話題になる。ロイヤルファミリーのプリンセスたちにとって「美しくいなければならない」という思いは、しだいに必須条件のように感じ、強迫観念になっていく──。3月22日に中学校の卒業式を控えた愛子さまを襲ったのも、この「ロイヤル病」だったのか。
約1年で18kgも体重が減り、最近では37kgしかないという愛子さまの激やせは、過度な炭水化物抜きダイエットが引き金になったとも囁かれている。そんな愛子さまに、世界のプリンセスの姿を重ねる声もある。
若くしてイギリス王室に嫁ぎ、1997年に非業の死を遂げたダイアナ元妃(享年36)はかつて、王室のことを“金魚鉢”と表現した。彼女には、大きな海や川を泳ぐ自由はなく、何をするにも“ガラス”を通して好奇の目が向けられた。イギリス王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子氏が解説する。
「彼女は“いつでも、どこからでも見られている“という緊張感に晒され続けました。公務のたびにものすごい数のカメラのフラッシュがたかれ、翌日には服装や体形、メイクについて細かくコメントされる。中にはかなり批判的な言葉も並びました。それによって彼女は“ロイヤルはいつでも美しくなくてはいけない”というプレッシャーを強く感じるようになったのです」
ダイアナ元妃がチャールズ皇太子と結婚したのは1981年、20才を迎えてすぐだった。祝福の嵐に満面の笑みを浮かべていた一方、パパラッチの取材攻勢に戸惑った。1982年にウイリアム王子、1984年にヘンリー王子が誕生したが、その頃にはチャールズ皇太子との夫婦関係に亀裂が入っており、さらに夫とカミラ現夫人との愛人関係が大々的に報じられるようになると、彼女に注がれる好奇の目線は最大になる。周囲の雑音の大きさに反比例するように、ダイアナ元妃は拒食症へと陥っていった。