3月1日に膵臓がんで亡くなったムッシュかまやつさん(享年78)。ザ・スパイダースメンバーとして絶大なる人気を誇った。そんなグループ・サウンズ(GS)のレジェンドを愛した女性は、かまやつさんが他界するほんの6日前に先立っていた。
「先に奥さんががんになり、かまやつさんが病院に付き添うなど闘病を支えていましたが、彼もがんになってしまいまして…。1月10日にかまやつさんが再入院した後、奥さんの病状は悪化し、2月23日に息を引き取りました。かまやつさんもすでに意識朦朧とした状態だったので、あえて本人には知らせなかったそうです。奥さんの死を知らずに、後を追うように旅立たれたんです」(かまやつさんの知人)
かまやつさんは2015年5月に膵臓がんが見つかり摘出手術を受けたが、翌年5月には肝臓への転移が判明。手術はせずに通院で抗がん剤治療を受けていたが、8月に脱水症状で緊急搬送され、入院。9月に肝臓がんを告白した。
「がんは発見された段階でステージ4。すでに手術ができない状態で、余命宣告もされていたそうです。でも、彼はあえて病名を公表し、ファンに向けて『絶対に復活するから心配しないでください』とコメントを出しました。今思うと、あの言葉は『オレは治るから、お前もがんばれ』という奥さんに対するメッセージだったのかもしれません」(前出・知人)
昨年10月に退院したが、妻が入院中だったため、いとこの歌手・森山良子(69才)の元へ身を寄せた。愛妻とも会えない厳しい闘病生活だったが、その4か月は楽しかった時代を思い出す最後のひとときになったかもしれない
「奥さんは1才年上で、かまやつさんがザ・スパイダースに加入した1963年に結婚。『ミュージシャンは女性人気が命だから』といって表に出ない主義だったようで、ライブや楽屋、打ち上げには一切、顔を出さない奥さんでした。とにかく目を見はるような美人。街角で出会ってかまやつさんが一目ぼれしたらしく、ふたりでよくキャンティ(六本木のイタリア料理店)でデートしたというロマンティックな話を聞いたことがあります」(音楽業界関係者)
そんな妻だったが、ミュージシャンで息子のTAROかまやつ(47才)が音楽家を目指したときは猛反対。一度は断念したものの、TAROはフジテレビ広報部で社会人を経験した後、2005年に歌手デビューした。そのTAROは自身のフェイスブックに母が亡くなったことを報告していた。
《長い間ありがとう。。人生で一番悲しく、一番泣いたよ。僕にとって世界一の自慢の母親でした。。》
かまやつさんがこの世を去ったのは、まさにその日のことだった。
森山は入院先の病院でもかまやつさんがギターを弾きながら歌っていたことを明かし、「最後まで音楽を肌身離さず、どんな時もムッシュらしい人生だった」と偲んだ。堺正章らが中心となって、音楽と共に送る「スパイダース葬」も開かれるという。
※女性セブン2017年3月23日号