「みなさん、お着替えはすみましたか? あ、こっちはまだスペースに余裕がありますよ!」
普段は保護猫カフェとして、飼い主のいない猫の里親捜しを目的として運営されている。猫と一緒に過ごすだけでなく、譲渡を申し込んで審査に通れば気に入った猫を引き取ることもできる。
飼い主のいない猫と新たな飼い主さんとの橋渡しをするスペースに集まったのは、ヨガウェア姿の人々。その間を器用に歩き回って準備を手伝っているのが、ネコヨガインストラクターのジオだ。
「これからヨガを行いますが、途中でボクたち猫と遊びたかったら遊んじゃってOKです。ヨガはサンスクリット語で『繋がる、ひとつになる』という意味がありますから、ボクたちとつながる心地よさを楽しんでくださいね」
ヨガが始まると、ポーズを取る人たちの横に長々と寝そべったり、寄り添ったりする猫たち。ぐーんと伸びをする猫の姿に「あんなに体が柔らかかったらなぁ」という声に、自然と笑顔がこぼれる。
「体が固くても問題なし! 大切なのは、あるがままの自分でいいんだって、気づくこと。そう、ボクたち猫みたいにね」
見まわりを終えたジオはソファに陣取って、みんなの様子を眺めながら、ついウトウト…。
「リラックスしすぎて眠くなっちゃったよ~。これもネコヨガ効果かな(笑い)」
ジオがインストラクターを引退するのは、新しい飼い主と出会うとき。夢見るのは、それからの日々なのかもしれない。
【プロフィール】
名前:ジオ ♂
年齢:3歳
種類:猫
勤務先:保護猫カフェ『猫式』
職種:ネコヨガのインストラクター
主な仕事内容:カフェで不定期開催されるネコヨガのとき、お客さまを出迎えたり、ヨガのお手本を見せたり、見まわったりする。
お給料:主にドライフードで、たまにウェットフード。臨時ボーナスとして、お客さまから焼きササミ・焼きかつおをいただくことも!
好きなこと:人にスリスリ。おひざ乗り。壁によりかかって物思うこと。
嫌いなこと:抱っこと爪切り。
現在の悩み:毛布やクッションをフミフミしているとオナラが出てしまうこと。
将来の夢:卒業して(新しい飼い主さんと出会って)、お家でのんびり暮らすこと。
撮影/山口規子
※女性セブン2017年3月23日号