芸能

意外と慎ましい業界のバレンタイン&ホワイトデー事情

意外と地味な業界のホワイトデー事情

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、テレビ業界のバレンタインとホワイトデーの状況をお伝えする。

 * * *
「え? あれが、そうだったんですか???」と長野美郷や高見侑里ら女性キャスターから総ツッコミを浴びていたのは『めざましどようび』(フジテレビ系)の佐野瑞樹アナウンサーである。

 ホワイトデーを3日後に控え、バレンタインデーのお返しを出演者や女性のADさんらに大量に配りまくる“太っ腹”ぶりを小自慢した佐野アナだったが、セント・フォースのキャスターらには不評だったよう。その日最後の“めざましじゃんけん”でチョキを出した後も、真横に居る長野キャスターに「あれじゃダメだったの?」と聞き返していた。

 15年、16年は土日だったが、今年は久しぶりの平日(火曜日)とあって、巷のバレンタインデーはおおいに盛り上がったと聞く。

 そして次の火曜日はホワイトデー。うるう年でない限り、バレンタインデーと同じ曜日になることもあり、百貨店の有名チョコ売り場や、近年、“お返し”として喜ばれる有名パティシエ作のマカロン売り場などには男性たちが今年は長蛇の列を作っている。

 民放のテレビ局の生ワイドやニュース番組では、必ずと言っていいほど百貨店の地下食料品売り場や大型商業施設の特設会場でのチョコ、洋菓子のトレンドが紹介されている。

 今年もっとも見かけたのは、兵庫県三田市にテーマパークのような店舗をもつ、パティシエであり、ショコラティエでもある小山進氏の洋菓子店『パティシエ エス コヤマ』の「奈良漬プラリネ」だろう。文字通り、フリーズドライにした奈良漬が入ったチョコで、同品は、『マツコの知らない世界』(TBS系)でも紹介されていた。ちなみに『〜エス コヤマ』の広報担当は、「ホワイトデーにも」と猛プッシュしている。

 ほかにも「日本初出店」とか、「期間限定」など情報がタップリ詰まったチョコや洋菓子に対しては視聴者の興味も高くはなる。

 が、民放の生ワイドでこうした菓子類を紹介するときの多くは、Qシート(番組進行表)の項目の頭に“是”の字を○で囲ったマークが付く、いわゆる“マル是”だ。かつて『めざましテレビ』(フジテレビ系)がエンタメコーナーの一部に「マルゼの花道」というタイトルを付けていたように、これは“是非モノ”という意味。どんなに時間がタイトになってきても、絶対に翌日に飛ばしてはならないネタなのだ。

 つまり、百貨店や大型商業施設は生ワイド番組のスポンサーであるからなのだが、店側にとってもバレンタインデーやホワイトデーの直前に売れ筋を生番組でオンエアしてもらうことが最大のPRとなるそうだ。

 では、そのテレビ局内でのバレンタインデー、ホワイトデー事情はどうなのかというと、私が見る限り、一般企業や他のカタカナギョーカイに比べると、格段に地味なのである。

 最大の理由は、一番組にスタッフが100人ぐらい居るのと、その大半が男性。一人に一つずつ外資系チョコをあげていたら軽く10万円コースになってしまう。

 なので、たとえば某番組のベテランタイムキーパーさんは「私は長年『皆さんで、どうぞ』と、缶入りのチョコやクッキーをチーフプロデューサーに渡している」というし、某番組のデスク女性は「ウチの番組は、もう何年も前から禁止されています」と、そっけない。

 聞けば、年長のタレントの号令で、「チョコレートなんて、いらん!」「お返しとかも面倒だから、やめよう」ということになったそうだ。

 では、女性タレントたちはどうなのか。

関連記事

トピックス

『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
調子が上向く渋野日向子(時事通信フォト)
《渋野日向子が全米女子7位の快挙》悔し涙に見えた“完全復活への兆し” シブコは「メジャーだけ強い」のではなく「メジャーを獲ることに集中している」
週刊ポスト
1966年はビートルズの初来日、ウルトラマンの放送開始などが話題を呼んだ(時事通信フォト)
《2026年に“令和の丙午”来たる》「義母から『これだから“丙午生まれの女”は』と…」迷信に翻弄された“昭和の丙午生まれ”女性のリアルな60年
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト