目下、世間を騒がせている暴露本といえば女優・清水富美加の『全部、言っちゃうね。』(幸福の科学出版)だろう。宗教法人「幸福の科学」への出家を表明した直後に発売され、芸能界での悩みや人気バンドメンバーと不倫関係にあったことも明かした。
だが、これまで数々の暴露本を読んできた、プロインタビュアーでタレント本収集家でもある吉田豪氏の評価は高くない。
「暴露本や告白本と思って読んだら拍子抜けします。芸能界での仕事が多忙になるにつれ、ストレスが溜まり精神を病んだ。その時、心の支えになっていたのが『幸福の科学』──という流れなのですが、そもそも出版社がそっちだし、明らかな宗教宣伝本です(笑)。
暴露本の良し悪しは、作品に“目的”があるかどうか。そして、その目的に読み手である自分の感情が乗れるか否かが重要なんです。清水さんの本は個人的には“乗れる”ところがなかった。全般的に昨今のこの手の本は大人しい印象があります。昔の方がぶっ飛んでいました」
※週刊ポスト2017年3月24・31日号