熱戦が繰り広げられているWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)だが、今回の侍ジャパンは真面目でおとなしい。しかし、かつての日本プロ野球界には、「侍」の名に相応しい無頼たちがゴロゴロしていた。国際大会のような大舞台では、修羅場をくぐってきた彼らの方が頼もしいだろう。そんな選手たちを集めてチーム「落ち武者ジャパン」を想定した。スポーツ紙記者や球界OBからは、内野では清原和博(元・西武、巨人ほか)や中村紀洋(元・近鉄、中日ほか)など、腕っぷしが強そうで豪胆な頼もしいメンバー候補の名前が挙がった。
外野陣も逸材が揃う。今年から阪神に加入した超人・糸井嘉男は、侍ジャパンに選ばれていないほうが不思議という声もあるが、ここはぜひ落ち武者ジャパンで存分に活躍してほしい。
NPB初の「6年連続打率3割・20盗塁・ゴールデングラブ賞受賞」を達成するなど驚異的な身体能力を誇る糸井だが、球界では“宇宙人”として知られる。プロ入り5年目まで「右中間」を知らなかった。視力が1.5にもかかわらずレーシック手術を受けて2.0まで上がった──など数々の“伝説”を持つ。野球通で知られる漫画家のやくみつる氏が言う。
「彼はもはや“地球外生命体”です。彼にとって国同士の戦いとか国籍がどうこうとかは些末なこと。緊張せず、普段通りのプレーをしてくれるでしょう」
さらに外野にはタフィ・ローズ(元・近鉄ほか)を入れてはどうか。日本国籍はないが、日本語はペラペラ。WBCでは母国語を話せない代表選手も珍しくないのだから、ローズは十分な日本代表有資格者だろう。
NPB在籍13年間で本塁打王4回、打点王3回の輝かしい実績に加え、退場処分14回という日本記録の持ち主でもある。乱闘時の切り込み隊長として、ローズの活躍に期待したい。