「空の華」である女性の客室乗務員(CA)が誕生したのは1951年。当時の制服はグレーの落ち着いた色に、ひざ下まである長めのスカートだった。それから65年あまりの間、制服は時代とともに多様に移り変わってきた。
JALの歴代制服は青や濃紺のカッチリしたスーツが多い。20世紀ファッションに詳しい京都女子大学・成実弘至教授によれば、「全体的に、クラシックでスタンダード、コンサバティブな印象」だ。
そんななか「攻めたデザイン」だったのが、森英恵がデザインした4~6代目の制服だ。
特に大きな話題になったのが、ジャンボ機導入を機に採用された5代目。当時、世界的に流行していたミニを取り入れた、膝上8cmのワンピーススタイルだ。
1967年から約30年間JALで客室乗務員を務めた航空評論家の秀島一生氏によれば、採用にあたっては客室乗務員からの反響が大きく、ひと悶着あったという。
「制服に流行が取り入れられたことを喜ぶ一方、お客様の荷物を頭上の棚に収納するとき、スカートの中を覗かれやすいと労働組合で問題視されました」
結局、タイツが支給されて下着が見えないようにガードされ、そのタイツにもJALのロゴが入れられ、客の視線がそこに向かうよう工夫された。6代目はストライプのシャツやスカーフがカラフルで、デザイン的にも面白い。
写真■時事通信フォト
※週刊ポスト2017年3月17日号