看板のない扉を開けると、蝶ネクタイ姿の店主が出迎えてくれる。『酒肆 一村』(しゅし いっそん)は、名物の塩味や甘め、辛めなど5種のレモンサワーをはじめ、日本酒、焼酎、バーボン、ウイスキーなど100種以上のお酒と、和・洋・中とジャンルを問わず、40種以上のメニューを揃えるお店だ。目指したのは、“近未来の大衆酒場”。
「刺身には日本酒などといった決まり事を取っ払って、自由に合わせて遊んで欲しいんです」と、語る店主・大野尚人さんの提案する春野菜レシピは、10分もあればできてしまう時短料理。
たとえば「新じゃがいもと春ごぼうのカレー風味きんぴら」なら、新じゃがと春ごぼうを形や幅を揃えた細切りにし、シャキッとした食感にカレー粉をアクセントにしている。
硬めに色よくゆでたアスパラガスは、シャキシャキの新玉ねぎと合わせ、ガーリックオイルと甘酢に漬け、「新玉ねぎとグリーンアスパラのにんにく南蛮漬け」として、パンチが利いたお酒が進む味にアレンジ。
酒場の料理は酒を進ませるためのものと考える大野さんは、食べる所作を一回でも減らして、その分お酒を飲んでもらう工夫をしている。刺身なら“漬け”や“昆布締め”にし、しょうゆをつける動作を減らす。
店の名物でもある卵サンドは、フライを食べたときのソースが染みたキャベツとタルタルソースを一緒に味わう幸せな瞬間を再現したとか。ウースターソースが春キャベツの甘さを引き立てている。
◆酒肆 一村
東京都江東区深川2-1-2岡野ビル2階
◆春キャベツとウースターソースの卵サンドのレシピ
・材料(2人分)
春キャベツ…2枚 マヨネーズ…大さじ2 ゆで卵…1個 こしょう…少量 ウースターソース…適量 からし…適量 パン…2枚
・作り方
【1】キャベツは千切りにして、ウースターソースで和える。
【2】ボウルにゆで卵、マヨネーズ、こしょうを入れて、卵を潰しながら混ぜる。
【3】トーストしたパンにからしを薄く塗って、【1】と【2】を挟んで食べやすくカットする。
※女性セブン2017年3月23日号