今年7月に行なわれる東京都議選は、ただの地方選挙には止まらない。小池新党という台風の目が首都で巻き起こす旋風は、既成政党が作り上げた予定調和な馴れ合い政治を躊躇なく吹き飛ばし、そのまま日本列島全体に大きな渦として広がっていくことだろう。
それを最も恐れているのが、国会に敵なしの安倍晋三首相である。首相のコントロールが及ばない都議会から、一強支配が瓦解するかもしれないからだ。
「安倍一強」といわれる政治状況の中、“この世の春”を謳歌する自民党の政治家たちは政権を失う日が来るなど夢にも思っていないようだ。
安倍首相は3月5日の自民党大会で総裁任期を3期9年に延長し、東京五輪後の2021年9月までの超長期政権のレールを敷いた。任期いっぱい“完走”すれば首相在任期間は通算約10年(3567日)となり、歴代最長の桂太郎・首相(2886日)を大きく抜く。
安倍首相は党幹部との会合で、「歴代の首相在任期間のトップ10のうち5人は山口県出身なんだよ。一番は桂太郎さんだ」と披露し、同じ長州(山口県)出身の桂首相の記録更新に意欲を見せ、野党の存在など歯牙にもかけない。
大新聞によると、国民もそれを“歓迎”しているらしい。安倍内閣の支持率は66%(読売)、62%(共同通信)と依然高く、日経新聞は世論調査で安倍氏が2021年9月まで首相を続けることに「賛成」が63%に達していると報じた。