各企業の決算期が集中する春は、株主優待の季節。そこで、カリスマ優待ブロガーとして知られる「かすみちゃん」の充実の優待ライフに完全密着。この春、ぜひゲットしておきたい注目の優待銘柄とあわせて紹介する。
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株主優待銘柄に投資するようになったのは、2004年からで、株価が上がった下がったと一喜一憂するより、優待品をもらえることが嬉しかったのがきっかけです。今では常時120銘柄ほど保有しているうえ、権利確定日には「クロス取引」(後述)もして年300銘柄ほどの優待をもらっています。
以前は100円ショップの商品詰め合わせや学研HDの工作シリーズなどももらっていたのですが、山積み状態で部屋がいっぱいになってしまいます。そこで最近では、割引券とか食べ物、飲み物のように、使ったらなくなるものを選んでいます。
イチ推しは、すかいらーく(3197)です。2月に株主優待拡充を発表し、今までの3倍の食事券がもらえることになりました。最低単元の100株で3000円分(6月、12月)がもらえるのですが、1000株だと3万3000円(6月)、3万6000円(12月)の食事券がもらえます。優待+配当利回りは年6%超になります。
食事券がもらえるダイヤモンドダイニング(3073)やクリエイト・レストランツHD(3387)もお気に入りです。やはり身近に店舗が多い飲食店は便利です。もし余ったとしても、誰かにあげることもできます。
まずは自分の生活圏にあるような店の優待を選ぶことから始めてみるといいと思います。たとえばイオン(8267)は優待カードがもらえて、買い物金額の3~7%のキャッシュバックが受けられます。しかも、イオン、マックスバリュなどの店舗では「お客さま感謝デー」の5%割引とも併用できます。近くに店舗がある人は絶対に有利な優待だと思います。
毎日の食卓に並ぶお米も、優待でお得に手に入ります。魚沼産コシヒカリがもらえる前澤給装工業(6485)や積水ハウス(1928)、イオンファンタジー(4343)は注目。ただ、新米ができる10月頃にまとまって届くことが多いのでご注意を。
5000円相当の品がもらえるオリックス(8591)のカタログギフトでは、ハンバーグ、カレー、お肉などをもらったりして、すごく重宝しています。ロングライフHD(4355)のレトルトカレーもおいしくて大好きです。
◆逆日歩のつかない一般信用取引の空売りも
振り返ってみると、私の生活は優待品で溢れています。すかいらーくの食事券でランチして、クリエイト・レストランツHDのカフェで休憩。オオバ(9765)でもらえる「全国共通お米券」なら大手スーパーの買い物で使えるし、ドン・キホーテではお釣りももらえます。
そのお釣りを持ってイオンに行って、優待カードも使って野菜を購入。TOKAIホールディングス(3167)のミネラルウォーターで、前澤給装工業でもらったお米を炊いて、ロングライフHDのレトルトカレーやオリックスのカタログギフトでもらったおかずで晩ご飯。夜は田谷(4679)の高級シャンプーでゆっくりお風呂……。
このようにたくさんの優待をもらっていると、たまには優待とは関係ない物も食べたいのですが、そうすると優待が使いきれないのが悩みの種です。でも、それがお金の節約につながって、それでまた優待株を買うという好循環にもなっています。
私は「クロス取引」を使って、いわゆる“優待のタダ取り”もしています。クロス取引とは、現物株を買うのと同時に空売りし、値下がりリスクを避けるテクニックです。ただ、いざ空売りしようと思っても売りができない銘柄だったり、高額な逆日歩(※)がついてしまうこともあります。
【※制度信用取引で貸借銘柄を空売りした投資家が負担するコスト。各証券会社によって設定される一般信用取引の場合、逆日歩はつかない】
そこで私は「制度信用取引」でなく、逆日歩がつかない「一般信用取引」を使って空売りすることが多いです。ただ、直前だと株の在庫がなくなって売れなくなってしまうこともあるので、日々支払う金利ともらえる優待額を計算して、ある程度余裕を持って早めに空売りしておくのも手だと思います。
優待が魅力的な銘柄は、大暴落や金融ショック時にも強いんです。優待は使ってこそ楽しくなるから、身近な店や生活に使うものをもらって優待に働いてもらい、お金を貯めましょう。楽しいですよ!
【PROFILE】「かすみちゃんの株主優待日記」(http://blog.livedoor.jp/setuyaku999/)では株主優待券で外食した写真も多く掲載され、個人投資家から人気。優待新設などの最新情報も豊富。ツイッターは@kasumicyan