知人女性の崔順実(チェ・ウンシル)被告らによる国政介入を許した「崔順実ゲート事件」で朴槿恵大統領が弾劾訴追され、大統領不在の事態を招いた韓国。朴大統領退任を求める「ロウソクデモ」は毎週のように行われ、100万人規模が参加したとされる週もあった。国民の間には政治不信を通り越した“あきらめムード”が漂っている。ソウルで、韓国の国民の本音を聞いた。
「朴槿恵大統領の訴追は当然だが、ロウソクデモで簡単に政権が変わるような国が真の民主国家と言えるのか。政治が国民をコントロールできなくなっている」(50代女性・パート)
「権力者や財閥の既得権益を守ることしか考えない韓国の政治は、構造的に膠着している。誰が大統領になってもこの国は変わらない」(30代男性・大学生)
「もし私が日本人なら、安倍首相を頼もしく感じるだろう。日本の国益を守るため、懸命に働いている印象がある」(20代女性・大学院生)
国内政治の混乱だけではなく、外交的孤立も深刻な問題だ。
「韓国の外交は本当に無能だと思う。朴槿恵は中国の習近平に擦り寄ったが、得たものは一つもない」(40代男性・会社役員)
「THAAD(高高度防衛ミサイル)の配備を巡っては、米中どっちつかずの対応を取ったため、アメリカの信頼を失い中国の怒りを買った。日米同盟を軸にした、日本のぶれない安全保障戦略を見習うべきだ」(50代男性・新聞記者)
※SAPIO2017年4月号