某ビジュアル系(以下V系)バンドマンのボーカリストがTwitterで自身の写る“チェキ”(インスタント写真)の画像を公開したことが、波紋を呼んでいる。きっかけとなったチェキ画像は、ベッドの上でタトゥーの入った裸体を写したもので、局部にはモザイクがかけられていた。その他、入浴シーンなど際どい写真も多くアップされていたが、それらのチェキは、その後、ライブハウスの物販で販売されたという。
ネット上ではそのモラルを問う声も多数出ているが、そもそも、なぜバンドマンが、過激なチェキを販売する必要があるのか? V系ファン歴15年の女性Aさん(30)は、こう分析する。
「現在、V系バンドを運営するうえで、チェキは原価率が低く重要な収益源となっています。CDが売れない時代ですから、よっぽど売れているバンドでない限り、物販で収益を上げないとやっていけない状況です。キャパシティ2000人規模以上のライブハウスが埋まるようなバンドであっても、物販でチェキを販売しているバンドはざらです。
今回問題になったバンドマンは、ほぼ無名に近い麺(メンバーの意味)。今は正規バンドでは活動していない状況のようですし、過激な露出チェキを売って、どうしてもそこで収益化したかったのではないでしょうか」(Aさん)
事実、同バンドマンのTwitterによると、ライブ当日「チェキを20枚購入すると1回メンバーとツーショット撮影ができる」という“オプション”があったようだ。また別のビジュアル系ファンの女性Bさん(23歳)も、V系のチェキ事情についてこう語る。
「ファンはライブの前後に、会場の物販コーナーで販売されているチェキを購入するのですが、通常1枚300円から1000円で販売されていて、相場は500円くらい。どのメンバーが写っている写真が当たるかが分からないので、くじ引き感覚というか、トレーディングカードを集める感覚ですね。
普通に『20枚ください、30枚ください』というファンがざらにいて、ファイルにチェキを保管して見せびらかしあっている人もいます。そういう人たちは、“チェキ廃(廃人)”などと呼ばれていて、一度に万単位でお金を使う人もいる。好きなメンバーの写真が当たらなかったら、ライブ会場の外でトレードしたり、Twitterで『○○君のチェキと交換してください』とツイートしている人も多い」(Bさん)
現在のV系シーンは、お世辞にも活況とは言えない。そんな中チェキはバンドを支える貴重な収益源なのかもしれないが、その販売手法にはバンドのモラルと品性が問われている。