夫婦関係のもつれは、いつの時代もどこから始まるかわからない。だが、最近では「えっ、こんなことで!?」と耳を疑いたくなるような理由で妻から三行半を突きつけられる夫が増えているという。
王貞治・福岡ソフトバンクホークス会長の次女、王理恵氏(47)は、医師・本田昌毅氏と3度目の結婚を目前にした“ハワイ婚前旅行”からの帰りに、「そばをすする音が嫌」という理由で“成田離婚”ならぬ“成田婚約破棄”をして話題になった。
育ってきた家庭環境の違いが顕著に現われ、生理的な嫌悪感に直結しやすいのが食卓でのふるまいである。
今クールの人気ドラマ『カルテット』(TBS系)でも、「勝手にからあげにレモンをかけた」ことが、松たか子(39)と宮藤官九郎(46)が演じた夫婦に溝を生み、最終的には離婚に至っている。
そこで、本誌も「バツイチ中高年男性」や専門家に取材したところ、食事中に突如突きつけられた耳を疑うような「離婚理由」が出てきた。
◆食べる時にくちゃくちゃ音を立てる、犬食いする
「くちゃくちゃ噛む音がうるさい。もうあなたとは一緒に食事したくない」
そういって結婚32年目に離婚したのはA氏(55)だ。
「つい面倒なので、箸で食べ物を口に運ばず、皿や茶碗を口につけてかきこむ“犬食い”のクセが出てしまうのですが、妻はそれが許せなかったそうです」
なぜ結婚して何十年もしてから……と思うかもしれないが、夫婦生活が長くなればなるほど、“怒りの蓄積”には注意が必要なのだ。日本の夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏によれば、食卓でのこうしたケースが離婚の引き金になることは少なくないという。
「年数を重ねると夫婦で対峙する時間も減ってきますが、食事の時は顔を合わせなければならない。必然的に食事上の所作に一番注目がいくようになり、不満を抱く機会も多くなる」
◆リンゴの皮を剥かずに食べた
「夫がリンゴを剥かずに食べたことが理由で離婚したケースもあります」
そう話すのは、夫婦問題研究家の岡野あつこ氏だ。
「妻側は『食べたいならいってくれればいいのに、私が気が利かないことをアピールしているみたい。なぜ、そんな嫌味なことするの』と受け取ってしまったようです」
※週刊ポスト2017年3月24・31日号