20年以上連れ添った夫婦の離婚、いわゆる「熟年離婚」は、2万6000件を超えている(2015年の厚労省『人口動態調査』より)。これは25年前と比較して7割増だという。
離婚を切り出すのは、多くの場合「女性」のほうだ。もちろん、妻が離婚という大きな決断に至るには、それまでに積もりに積もった様々な不満があるのだろう。しかし、最後に背中を押す「きっかけ」となるのは驚くほど理不尽な理由であることが少なくない。
今回、本誌は多くの「バツイチ中高年男性」に取材。突如妻から突きつけられた耳を疑うような「離婚理由」(外見・その他編)を集めた。
加齢とともに、見た目も衰えてくるのは仕方がない。ただし、夫は“お互い様”だと思っていても、妻には許しがたいこともあるようだ。
◆鼻毛が出ていた
結婚35年目を迎えたある日、A氏(64)の妻が「離婚する」と言い出し、すでに独立している子供3人を集めて“家族会議”が開かれた。
「離婚理由は私の鼻毛がいつも数本出ていたことでした。妻は『歳をとっても身だしなみには気を遣ってくれる人だと思って結婚したのに』というんですが、聞いていた私も子供たちも唖然。子供たちが思い止まるように説得してくれましたが、妻の決意は変わりませんでした」(A氏)
◆服の襟を立てる
A氏とは逆に、オシャレをしすぎて“三行半”を突きつけられた人もいる。
「『いい歳をして派手な服を着て、襟を立てたり、裸足でとんがった靴を履いているのに耐えられない』といわれて別れました。僕が若々しく見えるほうが妻も嬉しいだろうと思っていたのですが、妻は“芸能人じゃあるまいし”と、本気で嫌がっていたようです」(B氏・69)
◆「あれどこ?」と聞く
家の中のことは全部妻が知っているはず……と思いこんで接するのも危険だ。
「ある時、『歯ブラシの替えはどこ?』と聞いたら、妻に『定年していまは忙しくないんだからそんなの自分で探してよ!』と怒鳴られました。それから口を利いてくれなくなってしまい、家庭内別居状態から離婚へ……」(C氏・73)
※週刊ポスト2017年3月24・31日号