夫婦関係のもつれは、いつの時代もどこから始まるかわからない。だが、最近では「えっ、こんなことで!?」と耳を疑いたくなるような理由で妻から三行半を突きつけられる夫が増えているという。
離婚を切り出すのは、多くの場合「女性」のほうだ。もちろん、妻が離婚という大きな決断に至るには、それまでに積もりに積もった様々な不満があるのだろう。しかし、最後に背中を押す「きっかけ」となるのは驚くほど理不尽な理由であることが少なくない。
今回、本誌は多くの「バツイチ中高年男性」に取材。突如妻から突きつけられた耳を疑うような「離婚理由」を集めた。
◆録画番組を消した
ハードディスクの録画番組を巡って離婚沙汰になってしまったのはA氏(63)だ。
「いつも妻は大河ドラマを見ないので、『真田丸』の録画は自分が見た後に消していました。するとある日妻に『私も大河見たいな。録画してあるんでしょ? 見せて』といわれて。消してしまったことを告げたら、『何で勝手に消すのよ! 一緒に見ようという気持ちはないの!?』と怒鳴られてしまった」
この夫婦、現在離婚協議中だという。
◆「通帳を見せて」という
現役時代は妻に家計を任せきりだったB氏(68)。定年後、老後資金が気になったので妻に「通帳を見せて」といったのが運の尽きだった。
「『私が家計をやりくりしているのを信じてくれないのね』といわれて離婚話に。皮肉にも、離婚の段になって初めて自分の財産を知りました」(B氏)
ここまで紹介してきたのは氷山の一角に過ぎない。理不尽な理由で“おひとり様”になってしまった男性はまだまだいる。
彼らのようにならないために、我々が日頃から心掛けなければいけないことは何なのか。日本の夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏はこうアドバイスする。
「定年になったからといって夫が生活習慣を変えるのはそう簡単ではありません。
大切なのは言葉で『ありがとう』ということです。プレゼントを贈るということなどではなく、掃除や洗濯など、何気ない日常生活の行動の際に感謝の言葉を口にすることが大切。そうすることで、行動が伴わなくとも、妻のイライラはかなり緩和されます」
勇気を持って妻に「ありがとう」と伝えることこそ幸せな夫婦生活を送るカギなのだ。
※週刊ポスト2017年3月24・31日号