芸能

暴露本収集家・吉田豪氏が選ぶ「不動の2トップ」の中身

タレント本収集家が選ぶ「至高の2冊」とは

 数多くの暴露本を読んできたプロインタビュアーの吉田豪氏。タレント本収集家として、本棚には幅広い年代の“名著”が並んでいる。その吉田氏が「不動の2トップ」と推す2冊のタレント暴露本について聞いた。

 * * *
 1冊は1970年代から1980年代にかけてタレントや指揮者として活躍した、ダン池田さんの『芸能界本日モ反省ノ色ナシ』(1985年・はまの出版刊)です。

 暴露本には“目的”があるものですが、この本は、「指揮者の自分をぞんざいに扱ったプロデューサーへの復讐」という、個人的な理由だけで出したもの。どうしようもないことしか書かれていないんだけど、邪気がなくて面白いんです。

 例えば、スタジオで柏原芳恵さんに会った感想で〈彼女きっと生理だったのかもしれない。歌聞けばすぐわかる〉とか(笑)。ほかにも、テレビの偉い奴はたいてい歌手志望の女を食っているとか、アイドルなんて品行方正でもなんでもなくてヤリまくっている──なんて憤っているわりには、自分もアイドル志望のコとヤッちゃう描写があったり。お前も一緒じゃん! っていう(笑)。

 暴露本を出したことで芸能界から干されてしまいましたが、本人はカラッとしていましたよ。

 もう一冊が、長門裕之さんの『洋子へ 長門裕之の愛の落書集』(1985年・データハウス刊)です。

 自分の女性遍歴を赤裸々に語り、芸能界の仲間を実名で斬ったもので、帯には〈芸能界のエンマ帖〉と書かれていた。冒頭から、若かりし頃に交際していた女優の扇千景さんとのセックス描写から入るのですが、

〈ぼくは彼女のなかで激情した〉

 と、独特な射精表現で(笑)。しかも、その後のピロートークで〈私、結婚するの。だから、あなたとのことは、これっきりにしてほしいの〉と、振られてしまうという(笑)。

 あまりに反発が強かったため、釈明会見を開き、改訂版が出されるのですが、その修正もいい加減で。扇さんとのセックス描写が、夢オチになってたり、〈愛川欽也 ダメ男の典型〉という文言が、〈愛川欽也 憎めないダメ男〉になってたり。

 あとで本人に聞いたのですが、本を出すことが決まって、酒を飲みながら書籍のスタッフと無駄話をしていたら、その話のみを原稿にされたそうです。原稿チェックも間に合わない段階で見せられて、「しょうがないな」と出しちゃったら大問題になった(笑)。本人は「あのときは本当に参ったけど、振り込まれた印税がかなりの額で、これならいいかと思った」と笑ってました(笑)。

 後日談も含めて、長門さんの本が「大賞」です!

※週刊ポスト2017年3月24・31日号

関連記事

トピックス

真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
19年ぶりに春のセンバツを優勝した横浜高校
【スーパー中学生たちの「スカウト合戦」最前線】今春センバツを制した横浜と出場を逃した大阪桐蔭の差はどこにあったのか
週刊ポスト
「複数の刺し傷があった」被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと、手柄さんが見つかった自宅マンション
「ダンスをやっていて活発な人気者」「男の子にも好かれていたんじゃないかな」手柄玲奈さん(15)刺殺で同級生が涙の証言【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
ファンから心配の声が相次ぐジャスティン・ビーバー(dpa/時事通信フォト)
《ハイ状態では…?》ジャスティン・ビーバー(31)が投稿した家を燃やすアニメ動画で騒然、激変ビジュアルや相次ぐ“奇行”に心配する声続出
NEWSポストセブン
NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」で初の朝ドラ出演を果たしたソニン(時事通信フォト)
《朝ドラ初出演のソニン(42)》「毎日涙と鼻血が…」裸エプロンCDジャケットと陵辱される女子高生役を経て再ブレイクを果たした“並々ならぬプロ意識”と“ハチキン根性”
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン