森友学園問題のキーマンが籠池泰典・理事長の夫人で「女帝」と呼ばれる諄子(じゅんこ)氏だ。諄子氏は塚本幼稚園の副園長として常に夫に付き添い、国有地払い下げをめぐる役所との交渉では激高して机をバンバン叩き、鴻池祥肇議員への陳情では一転、「おばはんが泣きながら封筒を差し出した」(鴻池氏)といわれるなど感情の起伏も激しい。
国有地問題発覚後、最初にメディアに夫婦で登場した本誌・週刊ポストの独占インタビュー(3月3日号)でも、諄子氏は籠池氏の発言が言葉足らずと見るや、横から口を挟んでフォローする世話女房ぶりを再三発揮した。実は、この席で夫妻は証人喚問では語られない事実を本誌に証言していたのだ。
紙幅の都合で報じ切れなかった秘話を含めて夫婦の独占証言を改めて紹介する。
「ここは尊い方をお迎えする場所です」
籠池氏が記者を案内したのは金色の襖に金屏風が置かれた幼稚園の「玉座の間」。インタビューは籠池氏が安倍晋三首相の昭恵夫人から「主人からです」と100万円の寄付を受けたと主張する園長室に場所を変えて行なわれ、籠池氏は昭恵夫人についてこう語った。
「こちらに来ていただいたときに、住吉大社に一緒に参拝させていただきました。キリスト教の学校(※注)を出てらっしゃいますが、昭恵夫人は日本人として神ながらの心をよく敬っていらっしゃる方だと思いますね。歴史と伝統という、昔ながらの日本人を育成していくということを行なっている学校ですので、そのことに共感していただいていると思います」
【※注:聖心女学院の初等科、中等科、高等科を経て聖心女子専門学校を卒業】
籠池氏の隣にぴたりと座っていた諄子氏が身を乗り出したのは安倍首相の話題になったときだ。籠池氏の「安倍さんは純粋に我が国のこと、皇室のことを考えていらっしゃる」との言葉のあと、いきなりこう夫を擁護した。
「安倍さんは、偽物と本物をきちんと見分けることができるんです。うちの園長先生は清廉潔白です」
籠池氏も同調する。
「清廉潔白の人間は相手が清廉潔白とわかるんですよ」