「森友学園問題」を国会証人喚問に導く発端を作ったのは鴻池祥肇・元防災担当相(自民党参院議員)だった。籠池泰典氏から国との仲介を求められたことを自ら明かすという爆弾を投下し、結果として問題を一大疑獄にさせた。3年前、議員会館で籠池氏と面談した際、籠池氏が現金を渡そうとしてきたため突き返したという(籠池氏側は商品券と主張)。その鴻池氏を改めて直撃した。
──鴻池さんの記者会見によって、籠池氏が政界に働きかけていたことが明らかになりました。
鴻池:最初は黙っといたろと思ったんですが、野党から火の手が上がり、学校の寄付金集めのパンフレットに勝手に僕の写真が使われているのを知って、これは許すわけにいかんと。
──共産党が鴻池さんと籠池氏の面会記録を入手していましたが。
鴻池:誰が渡したのかは知らん。うちの事務所はオープンなので、誰でも入ってきて机のうえにあるもの何でも持っていきよる。あんたらも何でも持っていっていいよ(笑い)。
──籠池氏は鴻池さんに麻生太郎・財務相を紹介してもらいたかったのでは?
鴻池:それはわからん。じっくり話せばそういう話になったかもしれない。きっとそうでしょう。
──鴻池さんは「麻生財務相の側近中の側近」と言われていますから。
鴻池:ただの友達ですよ。側近なんて言われたら不愉快だ(笑い)。私の政治の師匠は河本敏夫先生(※注)ただ一人。河本先生は戦時中に姫路高校で軍事教練の反対運動をやって放校された人ですよ。私はこういう人が好きなんです。
【※注/通産大臣、郵政大臣、党政調会長などを歴任した自民党の実力者。鴻池氏は河本派に所属していた】
麻生さんが派閥をつくろうとして、せいぜい7~8人しか集まらんかったんだが、ある日、外務大臣室に呼ばれて最高級のうな重をご馳走になった。それだけ。安くつく男やろ(笑い)。最近は麻生派の会合もおさぼりしているけどな。