投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の3月21日~3月24日の動きを振り返りつつ、3月27日~3月31日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。国内外の政治リスクを警戒する流れから、一時19000円を下回る場面をみせた。米国では医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案成立を巡る法案で、共和党内の調整が難航していることが嫌気されたほか、北朝鮮ではミサイル発射といった地政学リスクも警戒された。国内では「森友学園」の籠池泰典氏による証人喚問を控え、政治リスクへの警戒が高まった。これにより日経平均は年初以降のもち合いレンジであった19000-19500円の上限レベルから、一気に下限レベルへの下落をみせている。
ただ、週末には、期末要因から貸株返却に伴う需給要因のほか、米長期金利の低下が一服していること、さらに、米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は、前週の動きを含めて今年3~4回の利上げを想定していると述べたことも買い戻しを誘った。日銀の黒田東彦総裁は都内で講演し、現在の物価動向は2%上昇の目標には距離があり、「現時点において金融緩和度合いを緩める理由はない」と述べたことも買い戻しにつながった。森友学園問題については、国内の政治リスクが払拭した訳ではないが、一先ず籠池氏の証人喚問が通過したことから、落ち着きをみせている。
米国のオバマケアの代替法案成立を巡る法案については、週末には結果が判明すると見られる。否決といったネガティブな結果となれば波乱展開が警戒されるものの、一先ずイベントが通過することにより、週明けは仕切り直しといったところだろう。また、足元で調整が強まったことにより、配当志向の物色が強まりやすいとみられる。その後は実質新年度相場入りになるため、物色意欲は高そうである。イベントとしては英国のメイ首相が欧州連合(EU)離脱手続き開始を通告する予定である。波乱要因にはならないとみられるが、神経質にさせそうである。その為、物色の流れとしては個人主体による個別物色が中心になりそうだ。