「まだ制服を着る役ができる」――初めての映画のときは現役高校生だった野村周平も、23才。普通ならとっくに制服が似合わない年齢なのだが、最新主演映画『サクラダリセット』で高校生役を演じた彼は、ごく自然に制服を身にまとってスクリーンの中にいる。
「確かに多いですよね、高校生役(笑い)。でも今回はちょっと久しぶり。映画『ちはやふる』以来かな」
『サクラダリセット』では“記憶保持”という特殊能力を持つ浅井ケイを演じているが、あまり感情を表に出さない難しい役柄を、見事に表現している。今回は共演者のほとんどが年下で、
「みんな人見知りでしたね。でもぼくはこういう性格だから、どんどん話しかけていったら徐々に心を開いてくれました」
と苦笑い。
「どうしても同世代と仕事することが多くなってくるのですが、たまに大人の俳優さんとご一緒すると、得るものが多い。みなさん優しいし、かっこいいし、役作りの仕方とかお芝居とか、すごく尊敬するし、勉強になりますね」
野村もこれから“おとなの俳優”になっていくわけだが、
「ぼく自身は、尊敬とか、かっこいいとか、そういうことは特に気にしていなくて、『野村周平ってヤバイ!』と思われる男になりたい」
野村がいう「ヤバイ」は唯一無二の存在になること。そしてそれは、すでに彼の中に着々と育っている。
「自分が出た作品は見ますけど、あえて反省はしません。アルバムに貼ってある思い出を見る感じで。できあがったものを後悔や反省するのは、見てくださるかたに申し訳ないし、だったら撮ってるときにベストを尽くせ! と思うので」
『サクラダリセット』前・後篇に続き、今年はすでにあと2本の映画の公開が決まっている野村。“ヤバイ俳優”の扉を開けつつある彼の春がやってくる。
【プロフィール】
のむら・しゅうへい/1993年11月14日生まれ。兵庫県出身。中国人とのクォーターで中国語が堪能。2009年所属事務所の全国オーディションでグランプリを獲り、翌年にドラマで俳優デビュー。近年の主な出演作はドラマ『好きな人がいること』(フジテレビ系)、映画『ちはやふる』など。主演映画『サクラダリセット』は前篇が3月25日から、後篇が5月13日から公開。また、4月29日には『帝一の國』、6月10日には『22年目の告白−私が殺人犯です−』が公開。
撮影/中村功
※女性セブン2017年3月30日・4月6日号