小池百合子・東京都知事が挑む7月の東京都議会選挙。小池新党にどんな人材が集い、日本の政治をどう変えていくのか。本誌は多種多様な経歴を持つ小池新党263人の候補者リストをつかんだ。小池氏の政治塾「希望の塾」の参加者たちがフェイスブック上でつくった「秘密のグループ」リストが実質的に都議候補予備軍になるが、その中には現役政治家たちの名前も含まれている。
民進党や日本維新の会、自民党から小池新党に鞍替えして都議選出馬を目指す現職の市議や区議、あるいは落選して浪人中の元職たちだ。前々回の都議選は民主党、前回は維新の会、今回は小池新党と当選のために風を求めて政党を渡り歩く“渡り鳥”候補もいた。
小池新党の候補者選びの基準では、渡り鳥の現職議員の優先順位は低く、素人候補を増やす戦略だ。塾生の1人で弁護士の岡本光樹氏の話からもそれがわかる。
「候補者選びの面接はまず女性が優先され、次に私のような政治経験のない新人、その後に元職や現職の議員という順番のようです。私は3月11日に面接を受け、(最終選考のために)出馬の意欲を書いたメールを送るように言われました」
今や全国の有権者が都議会の情けない実情を知った。豊洲問題追及の百条委員会が全国に中継され、既成政党の馴れ合い政治に染まった都議たちは結局、何の解明もできずに力不足を露呈したからだ。
小池氏は先日、塾生向けに、国政の課題についての勉強会を開催することを明らかにしている。「国政進出」を視野に入れ始めた小池氏が新人候補の面談を優先しているのは、手始めの都議選には政治のど素人の新人候補を並べて、「古い政治」を一掃するために「都議を総入れ替えする」という決意を有権者に示すつもりなのかもしれない。政治ジャーナリストの野上忠興氏が指摘する。