プロ野球が待ちに待った開幕戦がいよいよやって来る。開幕戦は「143分の1」にとどまらない意味を持つもの。後になって振り返れば、シーズンの行方をも左右した熱戦を制したのが、2001年の近鉄だ。
初回に5点を失った近鉄は、5回に4長短打で追いつくと、7回には磯部公一の3ランで逆転。7投手の継投を大塚晶文が締めた。この年の近鉄は、とにかく破壊力抜群の「いてまえ打線」が打ちまくり、2年連続最下位から一気に12年ぶりの優勝を果たした。
「(タフィー・)ローズが55本塁打の日本タイ記録をマークするなど、投手が打ち込まれても打撃力でカバーしてリーグ優勝してしまった。78勝のうち、実に41勝が逆転勝利だった」(スポーツ紙記者)
チーム打率2割8分、221本塁打、770得点はリーグ1位だが、失点はリーグ最多。防御率4.98は優勝チームとしては過去最悪。史上初の防御率最下位チームの優勝となった。
【試合データ】
2001年3月24日(東京ドーム)
近鉄10-9日本ハム
■取材・文/鵜飼克郎
※週刊ポスト2017年4月7日号