大麦の一種であるもち麦を白米と混ぜた「もち麦ごはん」のブームが広がっている──。ナチュラルローソンでは3月14日から販売を開始したおにぎり「もち麦入り宮城県産鮭といぶり大根」(168円)が売り切れる店舗が続出している。ローソン広報室の担当者がいう。
「全国140店舗で、おにぎりをはじめとする5種類のもち麦配合商品を展開し、健康を気にするお客様にご支持をいただいています」
家庭用としても白米と混ぜるためのもち麦の需要が高まっている。輸入食品を扱うカルディコーヒーファームの店舗では、袋詰めのもち麦商品が平積みにされている。同チェーンを展開するキャメル珈琲の広報販促部はこういう。
「袋詰めのもち麦をはじめとする関連商品は2015年6月頃から販売を始め、当初は月に約600点売れる程度でしたが、2016年9月には関連商品全体で4万7000点を売るまでに至り、現在も月2万点ほどで堅調に推移しています」
もち麦ごはんと聞いていわゆる“麦飯”を思い浮かべるかもしれないが、使う麦の種類が違っている。『「もち麦」で腸イキイキ革命!』の著者で医師の松生恒夫氏が解説する。
「同じイネ科の植物である米にうるち性(一般的な米)ともち性(もち米)があるように、大麦にもうるち性ともち性がある。両者は、含まれているでんぷんを構成する成分に違いがあり、もち性のほうが粘り気があります。
うるち性の大麦で一般的なのが『押し麦』です。麦とろごはんなどに使用されますが、少しパサついていて食べにくい印象があります。一方もち麦はその名の通りもちもちした食感があり、白米により近いので継続して食べやすいのが特徴です」