春に旬を迎える「ラム肉」とは、子羊の肉のこと。羊の肉は一般的に生後12か月までは「ラム」、それより大人の羊の肉が「マトン」と呼ばれる。マトンはうまみが深いが、独特のくさみから敬遠する人も多い。フランスでは高級食材の1つである。
日本における羊肉はほとんどが輸入に頼っており、その大半がオーストラリアとニュージーランドからのもの。国内でも北海道などで畜産羊が飼育されているが、多くはジンギスカン料理向けとして消費されている。
ラム肉はビタミン、カルシウム、カルチニン、鉄分などを含む。また脂肪分は人間の体内で消化・吸収されにくい一方で脂肪燃焼効果が高く、コレステロールも低いことから、ダイエットに適した動物性たんぱく源として注目されている。
家庭料理研究家の松田美智子さんはこう話す。
「ラムのもも塊肉はスーパーなどでは置いているところが少ないので、信頼できるお肉屋さんに頼んでおくことをおすすめします。またラムカツなどは、アツアツが命。冷めるごとに肉が硬くなっていくので、揚げたそばから頬張るのがマストです」
◆ラム肉の【準備】
ラムのもも肉とチョップ(あばら骨のついた背肉)を使用。どちらも肉がきれいなピンク色で、チョップは肉が多くついたものが◎。ラム肉は足が早いのでできるだけ鮮度がよく、また、「安かろう、まずかろう」がラム肉では独特のくさみとなって表れる。ちょっと値が張っても、肉質のよいものを選ぶのが無難だ。
下ごしらえとしては、チョップの脂身に等間隔で包丁を入れて筋切りをし、あばらにも下包丁を入れておき、肉縮み予防を。
◆ラムチョップのハーブマリネ焼き
【1】ラムチョップ4本は【準備】を参照して脂身に下包丁を2~3箇所入れる。バットに入れ、すりおろしにんにく・塩各小さじ1、オリーブ油大さじ3、白こしょう少量をすり込み、タイム・ローズマリー各1茎も絡めるようにこすりつけて、そのまま30分置く。
【2】メークイン小2個は、よく洗って皮ごと乱切りにして【1】のマリネ液を絡める。しっかり予熱した魚焼きグリル、または250℃に予熱したオーブンにじゃがいもを先に入れて10分焼き、二度挽き生パン粉をまぶしたラムを加えて5~7分焼く。
※女性セブン2017年4月13日号