女性セブンの名物アラカン記者“オバ記者”こと野原広子が、世の中の不条理に歯に衣着せぬ意見をぶつけるこのコーナー。今回のテーマはお花見です。
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桜前線北上中。日本中がピンクに染まると、浮かれてみんな、花の下で飲めや歌えや。だけど、これがなかなかどうして。桜を愛でることなんかどうでもよくなる、いや~な格差を味わうことになるのよ。
私が忘れられないのは、数年前の四谷の土手での花見。あそこは桜並木の横に小さなシートを1枚敷けるほどのスペースしかないのね。
それでも空き地があったんで、女3人勇んで、花見の定番、鶏のから揚げとサンドイッチをコンビニで買い、「ちょっと寒いから」とおでんも数点追加して、ピクニックシートに並べたわけよ。
で、横座りして、「かんぱーい」と缶酎ハイのプルトップを引いたところに、私らより少し年上の男女4人組が登場。隣のシートに陣取った。
「こんにちは」と私は挨拶したけど、ヒールを履いた女たちは「ああ」と目礼だけ。2人の男は、カートに積んだ大きな荷物の荷ほどきで忙しそう。
それとなく聞いてたら、中の1人がアウトドア派らしく、4人用テーブルを組み立て始めて、その手際のいいこと。
その上にギンガムチェックのテーブルクロスを敷いて、簡易椅子を並べたら、あっと言う間に“屋外イタリアン・レストラン”の出来上がり。そこに、小洒落たプラスチックの皿を並べて、数種類のチーズとサラミのフランスパン。そしてサラダ。
それを横目に、こっちは柿ピーを手のひらにのせカパッと口に放り込み、話を続けようとしたんだけど、盛り上がらないったらないわよ。
ただでさえ、向こうの方がちょっと目線が高くてヤな感じなのに加えて、スカしたイタリアン。フン、どうせこちらは、ブルーシートに直座りで、おでんの大根をつつく“ジベタリアン”だよ。