ライフ

80歳までに半分の歯失う日本人 大半が歯磨き粉について誤解

歯科医の弘岡秀明氏が指摘

 コンビニやドラッグストアで何気なく手にし、毎日使っている歯磨き粉や歯ブラシ。その選び方、使い方の“常識”は、実は間違いだらけだった──。自分の歯を守るために、何が必要なのか。昨年、「やってはいけない歯科治療」シリーズで業界のタブーを暴き、大反響を呼んだジャーナリスト・岩澤倫彦氏がレポートする。

 * * *
 日本人は80歳までに28本ある歯のうち半分を失い、入れ歯になる人が多い。一方で、同年齢のスウェーデン人は平均20本の歯が残るという。

 この差の理由は、日本人の歯についての知識が根本から間違っていたからだと、歯科医の弘岡秀明氏(前東北大学臨床教授・スウェーデンデンタルセンター)は指摘する。

「中高年は、歯周病か虫歯によって歯を失いますが、両方とも口の中にある“バイオフィルム”が原因です。これを理解せず間違った歯磨きや治療を受けて、結局歯を失う人が多いのです」

 朝起きて歯を触り、ネバネバした膜が覆っていたら、それがバイオフィルムだ。以前はプラーク(歯垢)と呼ばれていたものと同じと考えていい。その中には歯周病や虫歯などの原因菌が、1g中に約1000億も存在している。

 歯周病は、歯と歯茎の隙間にある歯周ポケットに、バイオフィルムが繁殖。歯周病原菌が感染して組織を破壊、重症化すると歯が抜ける。

 また、中高年に特徴的なのが「大人虫歯」。加齢で歯茎が下がり露出した歯の弱い根元部分(象牙質)や、昔に治療した銀歯やブリッジの隙間に、バイオフィルムが張り付いて虫歯を作るパターンだ。

 そこで歯周病や大人虫歯に悩む世代をターゲットに、ハミガキ剤が続々と発売されている。国内の出荷数は、年間5億個、総額1300億円を超える(平成28年度、日本歯磨工業会調べ)。

 これほど種類が多ければ選択に悩むのは当然だが、専門家によると、大半の人が歯磨き粉について誤解しているという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まったか
《進次郎劇場で支持率反転》自民党内に高まる「衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声 自民党の参院選情勢調査では与党で61議席、過半数を12議席上回る予測
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト