稀勢の里の逆転優勝で日本中が沸いた大相撲春場所。千秋楽が優勝決定戦までもつれ、NHKは放送時間を10分延長。表彰式で稀勢の里が賜杯を抱いたところで中継終了となった。
その後、会場では各国の友好杯、各自治体の設けた賞などの授与が続いたが、「福井県賞」のところで“事件”は起きた。
「県内の梅の産地の自治体やJAなどでつくる福井ウメ振興協議会(会長=森下裕・若狭町長)から、特産の福井梅が贈られた。ところが土俵上で賞状を読み上げた町長が『稀勢の海殿』と読んでしまったんです。会場がざわつきましたよ」(現場にいた記者)
もちろんそんな四股名の力士はいない。読み間違えである。
なぜこんな“悲劇”が起きてしまったのか。福井・若狭町役場の産業課に問い合わせると、意外にも担当者は「(町長は)そうした(読み間違えの)事実そのものに気付いていませんでした……」との答え。覚えていないほど、緊張していたのだろう。
※週刊ポスト2017年4月14日号