稀勢の里の逆転優勝で日本中が沸いた大相撲春場所。その裏で意外な人物が注目を集めていた。
大相撲中継では仕切りの際、行司の後ろ側にある向正面の席に座る人たちの顔がよく見える。
春場所では連日、和食料理人・神田川俊郎氏の姿があり、「毎日のように来てたけど、お店は大丈夫か」(前出の古参ファン)といった声があがった。審判員のすぐ後ろの座布団席は溜(たまり)席と呼ばれる。協会関係者の解説。
「溜席は、維持員席と一般向けに販売される席の2種類に分かれる。個人や団体として協会に一定額(大阪場所は6年で130万円)を寄付すると、維持員席の権利が発生する(もちろん大量の申請待ち状態)。それ以外が一般に販売される。
神田川さんが座っていたのは向正面の維持員席。別の方の名義の席に座らせてもらっているそうです。20年近く通っているから相当な熱意です。ちなみに神田川氏の隣の席にいたのが東西会メンバーで横綱審議委員の岡本昭氏」
本来、行司が観戦の邪魔にならない正面の桟敷が人気のはずだが、「向正面はテレビに映りたい人に人気」(同前)という。
「2009年名古屋場所では刑務所でも相撲中継が見られることから、服役中の組幹部に元気な姿を見せようと暴力団関係者が維持員席に代わる代わる座っていたことが発覚、問題化しました」(同前)
大相撲中継は画面の隅から隅まで、目が離せない。
※週刊ポスト2017年4月14日号