ドラマが放送されるたびにその視聴率がニュースになる月9。その30周年作品として嵐の相葉雅紀が主演する『貴族探偵』に注目が集まっている。コラムニストのペリー荻野さんによれば、同作はヒット要素が満載だという。低迷が続き打ち切り説もささやかれる月9は再浮上できるのか? ペリーさんが過去30年を紐解きながら解説する。
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今年はフジテレビの「月9」が30周年。しかし、今冬放送された西内まりや主演『突然ですが、明日結婚します』は視聴率が月9史上最低の平均6.7%を記録。看板ドラマ枠に逆風が吹いている。
振り返ってみれば、元祖月9ドラマとなったのは、岸本加代子と神田正輝の顔合わせによる『アナウンサーぷっつん物語』。肩パットがアメフト選手のごとく張り出したスーツで決めた岸本ら1980年代女子と神田が、恋に仕事にと走り回っていたのである。なんと陽気な時代であったことか。
その後も80年代は、田原俊彦の『ラジオびんびん物語』、とんねるずの『ギョーカイくんが行く』、東山紀之の『荒野のテレビマン』など、いわゆる業界ものを連発。今思えば、どこがどう「ぷっつん」だったのか「びんびん」だったのか思い出せないのだが、その明るいヌケのよさが新鮮でもあった。
その後、1990年代には、織田裕二、鈴木保奈美の『東京ラブストーリー』、武田鉄矢、浅野温子の『101回目のプロポーズ』、石田ひかり、筒井道隆、木村拓哉の『あすなろ白書』、山口智子、木村拓哉の『ロングバケーション』など、テレビ史に残るラブストーリーが大ヒット。月9といえば、ラブストーリーといわれ現在に至る。