投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の4月3日~4月7日の動きを振り返りつつ、4月10日~4月14日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。米中首脳会談の行方や米雇用統計の結果を見極めたいとの模様眺めのなか、シリアや北朝鮮問題など地政学リスクの高まりを背景に、日経平均は年初来安値を更新した。また、午後に入りインデックスに絡んだ売買から値を崩す傾向にあるなか、中小型株の下げが目立つ場面もみられ、センチメントを悪化させていた。
米国のトランプ政権はシリアで化学兵器の使用が疑われる攻撃で多数の死傷者が出たことへの対抗措置として、巡航ミサイル「トマホーク」59発をシリアの同国軍施設に発射し、対シリア攻撃を行った。地政学リスクの高まりが嫌気されるなか、週末の日経平均は一時18517.43円まで下げる場面をみせている。
今週については、今週末の米雇用統計のほか、米中首脳会談の行方が相場を左右させそうである。米軍のシリア攻撃により地政学リスクが高まったが、米中首脳会談を通過し、北朝鮮が挑発的な行動に出なければ、一先ず落ち着きをみせてくる可能性がありそうだ。まずは、11日に北朝鮮が最高人民会議を開催することもあり、市場の関心が集まろう。雇用統計については、ADP雇用報告の内容からは、上振れも期待されている、利上げペースへの思惑が再燃するなか、円相場も落ち着きをみせてくる可能性がありそうだ。
日経平均については年初からのもち合いレンジを下放れており、シグナルは悪化傾向にある。これまでのレンジ下限が抵抗となり、戻り待ちの売り圧力も警戒されやすいと考えられる。ただ、模様眺めムードの中でインデックスに絡んだ商いで振らされた可能性はある。海外勢のオーダーはそれ程多くなく、また国内の機関投資家は、中小型株に対しての押し目買いが観測されている。外部環境の落ち着き次第では、意外高の可能性も意識しておきたい。