日本人は、勘違いに基づいた「中国への憧れ」を持っているため、適切な対抗策をとれずにいるのだと作家の百田尚樹氏はいう。勘違いを育む漢文の授業も廃止したらよいとの持論を持つ百田氏が、現実的に今の中国とどう対応すべきかについて語る。
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現実的に今の中国にどう対応していけばいいのかというと、非常に難しい。中国は凄まじいスピードで軍拡を続けて、今年、軍事費がとうとう1兆元、約17兆円を突破した。これはあくまで公表数字で、実質的にはその倍近くあるというから、日本の防衛費(5兆1000億円)とは5~6倍の差がついています。
私は「失われた10年」と言っているのですが、この間、日本が国防費を増やしてこなかったのは非常に痛かった。たしかに兵器の質としては自衛隊のほうが上ですが、今、中国にあの数で来られたら太刀打ちできない。10年前なら日本が「ええ加減にせえ。刀抜くで」と言えば中国もひるんだけど、今はもう通用しないかもしれない。
もちろん日米安保が機能していれば中国に対抗できますが、日米安保も永遠に続くという保証はどこにもありませんから、日本は今のうちに軍備を増強する必要があります。
中国が自国にいる大多数の貧しい国民の生活を犠牲にしてでも強引な軍拡をしているのは、日本を数で圧倒して、日本が戦う気力をなくすくらいに戦力差を広げるのが狙いでしょう。だから日本が軍備増強すれば、中国はさらに軍事費を上げてくる。軍拡競争はお互いに無駄な出費ではあるけれど、国を守るためには仕方ないんじゃないか、と思います。
中国の政府高官が「尖閣は我が国の領土だ」と公言し、なおかつ沖縄までも自分の領土だとメチャクチャなことを言っている。領海侵犯、領空侵犯を日常的に繰り返し、明らかな軍事挑発を続けている。
日本が防衛費を増やすのは、いわば防犯のため、戦争抑止のためです。
そのためには防衛費を「GDPの1%」に抑えるというのはナンセンス。この数字には何の根拠もありません。例えば「お父ちゃんの給料が下がったから、家の鍵を減らしましょう」とならないのと同じです。